兵庫県の斎藤元彦知事、パワハラ体質問われ「過去取り戻せない」「もっといい知事に」…百条委員会の証人尋問

兵庫県の斎藤元彦知事がパワハラなどの疑惑を内部告発された問題で、県議会の百条委員会は30日、斎藤知事の証人尋問を始めた。
前県西播磨県民局長の男性職員(7月に死亡)が3月に報道機関などに送付した告発文書では、「出張先で公用車を降り、20メートル歩かされただけで職員をどなり散らした」などの疑惑が記されていた。
職員に「大きい声で強く指摘」…過大要求は否定

斎藤知事はこの日の証人尋問で、出張先の施設玄関で待機していた職員2人に「車止めをなぜのけておかなかったのか。外すのを失念していたのではないかと発言したと記憶している」と説明。その上で、「大きい声で、それなりに強く指摘したと思う」と述べた。一方、職員への過大な要求に当たるのではないかとの議員の指摘に対しては、「過大な要求というよりも、合理的な指摘だったと認識している」と説明した。
内部告発者の懲戒処分「適切」「誹謗中傷性高い」

男性職員を停職3か月の懲戒処分としたことについて、今は不適切だと思うかとの質問について、斎藤知事は「(男性職員が作成したのは)事実でないことが多く含まれる 誹謗 中傷性の高い文書だと認識し、調査をして処分させていただいた。その処分は適切だと思っている」と述べた。
「もし不快な思いした職員がいれば謝りたい」

百条委が実施した県職員へのアンケートに 叱責 など多数の記載があったことについて、斎藤知事は「言い方が厳しかったり、強くなったことは、もし職員の皆さんに不快な思いをさせたということは反省したい。もしそういった方がおられれば謝りたい」と述べた。
休日・深夜の業務チャット「備忘録的に送った面ある」

職員アンケートなどで、業務チャットに休日、深夜を問わず知事から指示があるとの指摘が寄せられことについて、斎藤知事は「業務上の理由で指摘したという必要性はある」としつつ、「忘れないうちに備忘録的に送ったという面もあるにしても、『レスポンス(返信)は明日でいいです』とか『週明けでいいです』と丁寧に書いておくことは今、考えればすべきだったと思う」と釈明した。
パワハラ体質問われ「過去取り戻せない」「もっといい知事に」

自身にパワハラ体質があるのではないかとの質問に、斎藤知事は「仕事については厳しくさせていただいている面が正直やっぱりある」と説明。「県政、県民の皆さんにとってもいい仕事をしたいという思いだったが、職員に不快に思わせてしまっているとすればもう過去は取り戻せない」とし、「これからはもっといい知事としてやっていきたいと思っている」と述べた。
就任直後、職員呼び机たたく…「選挙戦直後で緊張感と気が高ぶっていた」

2021年の就任直後、港の管理計画が新聞に掲載された際、当時の担当職員を知事室に呼んだ際、机をたたいたことがパワハラに該当するのではないかと問われた斎藤知事は、「やった記憶がある。『ちゃんと報告していただかないといけないんじゃないですか』と伝え、思わず机をたたいてしまった」と認めた。理由について、「知事就任直後で、自分が知らないところで、業務が既成事実として進められしまうという不安を強く抱き、選挙戦直後の緊張感と気が高ぶっていたこともあった。行為としては適切ではなく、直接謝罪したい」と述べた。
午後5時34分頃、証人尋問を終えた斎藤知事は会場を後にした。

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