自民党内屈指の集金力を持つ小泉進次郎氏、政治資金パーティーで年8600万円の収入も報告書に購入者の記載なし 問題視される「20万円以下は公表義務なし」ルール

世論調査では「次の自民党総裁」候補のなかで先頭集団を走る小泉進次郎・元環境相。党内では派閥の裏金問題で失墜した信頼回復のための“新たな顔”として期待が高まっているが、そんな重責が担えるのか。同氏の政治資金を徹底調査して、浮かび上がってきた実像とは――。
3年間とも収支報告書に購入者の記載ゼロ
一気に自民党総裁選の“本命”となった小泉進次郎氏は、ライバルたちの出馬表明を尻目に、「最も効果的な会見のタイミングを計算した」(支持派議員)とされる。議員在職15年の節目となる8月30日の予定だった会見は台風で9月6日に延期したが、父・純一郎氏のように出馬から一気呵成に旋風を巻き起こすつもりのようだ。
その進次郎氏がアピールしてきたのが「改革派の旗手」としての姿だ。安倍派の裏金問題に対していち早く「派閥はやめるべき」とぶち上げた。
裏金問題の対策づくりで設置された自民党刷新本部のメンバーとなるや、「(派閥が)パーティーをやってお金を集めて配る。内閣や党に人事を要求する。そういうことに国民は嫌悪感を持つ」と派閥パーティー禁止を主張。同本部の中間とりまとめ(1月25日)は、〈政治資金の見える化をはかる〉〈政治資金パーティー等の更なる適正化について検討を進めていく〉と党所属議員の政治資金の透明性向上を盛り込んだ。
改革を訴えてきたのは間違いない。
だが、進次郎氏自身の政治資金収支報告書を見ると、ある疑問が浮かび上がった。
党内屈指の集金力を誇る進次郎氏は2022年に12回のパーティーを開催し、約8600万円の収入を得ている。その一方、進次郎氏の収支報告書では2020~2022年の3年間ともパーティー券の購入者(企業・団体を含む)の記載がない。誰から資金提供を受けたか全くわからないのだ。
これは自民党有力議員のなかでも特異だ。
本誌・週刊ポストは自民党の全議員の2022年分の政治資金収支報告書を検証したが、パーティー収入が進次郎氏と同水準の約8500万円ある林芳正・官房長官の収支報告書には延べ11(548万円分)の購入者が、同じく約8800万円の遠藤利明・前総務会長の場合は延べ38(1567万円分)の購入者の記載がある。
自民党議員でパーティー収入が多い上位50人のうち、購入者の記載が0だった議員は計11人(別掲表参照)いるが、収入額が最も多かったのが進次郎氏だ。
「20万円返金報告」の意味

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