アメリカから“越境台風”が?
アメリカ側のトロピカルストームが太平洋を西に進んでいて、日付変更線を超えて台風になる可能性があります。
太平洋とインド洋の台風や低気圧などを監視し、情報を提供するアメリカ軍の気象機関・JTWC(Joint Typhoon Warning Center)の予測では、日付変更線の東で発生したトロピカルストーム「HONE(ホネ)」が、太平洋のハワイ諸島・ミッドウエイの南を西よりに進み、日付変更線を超える可能性があります。
31日(土)のアジア太平洋域予想天気図では、日本列島には台風10号が、そして日付変更線の東には、トロピカルストームHONEがあります。
越境台風とは
日本の気象庁とアメリカの気象機関とで、太平洋の台風や熱帯低気圧を監視するエリアが決まっています。図でいうと日付変更線(経度180度線)の左側、北西太平洋が気象庁の担当エリアで、右側の太平洋北部と中部がアメリカの担当エリアです。
アメリカの担当エリアで発生した「ハリケーン」や「トロピカルストーム」が、日付変更線を超えて日本側に入ると、監視の担当がアメリカの気象機関から日本の気象庁に変わり、「台風」と呼ばれるようになります。
アメリカの気象衛星がとらえたHONE(ホネ) 位置と勢力
アメリカの気象衛星GOESが捉えたトロピカルストームHONEの画像です。反時計回りの雲が確認できます。
アメリカJTWCによると、ミッドウェーの南を進むトロピカルストーム「HONE(ホネ)」は、日本時間の30日午後9時現在、ミッドウェー島の南東約700キロにあって、1時間に約13キロの速さで西北西に進んでいます。中心気圧は1008ヘクトパスカルで、日本時間の9月2日ごろに日付変更線を超える予想です。2日21時ごろの最大瞬間風速は約28メートルと予想されています。
越境台風となれば、2023年に「ハリケーン」から「台風」に変わった台風8号以来となります。
気象衛星ひまわりがとらえたHONEの雲
気象衛星ひまわりが29日(木)~30日(金)にとらえたHONEの雲です。まだ発達した雲域ではありませんが、今後の進路に注意しましょう。