自民党の林芳正官房長官(63)は3日、記者会見を開き、党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を表明する。10人超の出馬が取り沙汰される乱立模様の中、正式表明は4人目となる。茂木敏充幹事長(68)は4日に会見を開くと発表。加藤勝信元官房長官(68)は出馬に必要な20人の推薦人確保について「最終段階」と明らかにした。
林氏は2日、陣営の選対本部長を務める田村憲久政調会長代行ら10人余りと国会内で集まり、態勢などを協議した。この後、桜井充参院議員から支持を伝えられ、「戦いに弾みがつく」と応じた。
林氏は参院議員5期を経て、2021年の前回衆院選で山口3区にくら替えし初当選した。総裁選は2回目の挑戦。岸田派ではナンバー2の座長を務めた。政策通として知られ、防衛、農林水産、文部科学、外務といった閣僚を歴任。一方、発信力と知名度が課題だ。
茂木氏は衆院栃木5区選出で当選10回。総裁選出馬は今回が初めてだ。実務能力を評価され、政調会長や外相など党と政府の要職を歴任。政策集団への衣替えを決めた40人超の茂木派の会長を務めており、派閥領袖(りょうしゅう)では唯一の候補となる見通しだ。
初の立候補を目指す加藤氏も国会内で会合を開いた。所属する茂木派や、安倍、二階両派などから約10人が出席。加藤氏は記者団に「(推薦人の)最終段階の確認を待った上で、公約発表、出馬宣言をしたい」と語った。
総裁選はこれまでに、小林鷹之前経済安全保障担当相(49)、石破茂元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)が立候補を正式表明。小泉進次郎元環境相(43)が6日、高市早苗経済安保担当相(63)が9日に、それぞれ出馬会見を予定している。
[時事通信社]