3年前、北海道旭川市の公園で、中学2年生の女子生徒が凍死した問題で、1日午後、再調査委員会が「いじめが主な原因」とする正式な報告書を市長に提出しました。
この問題をめぐっては、当初、教育委員会や学校側がいじめを認めず、その後、市教委の第三者委員会が下記の6項目をいじめとして認定したものの、凍死といじめの因果関係については不明と結論。
教育評論家の尾木直樹氏らで構成された再調査委員会が6月、凍死は自殺だったとした上で「いじめが存在しなければ、自殺は起こらなかった」とする、凍死といじめの因果関係を認めた報告書を完成させていました。
しかし、以前の報告書とみられる文書が“黒塗りのない”状態で、市議会議員の住宅のポストに投げ込まれたり、インターネットに流出したりしたため、再調査委員会は報告書の正式な提出を見合わせていました。
その後、再調査委員会は、市の情報漏えい対策が整ったなどとして、1日夕方、今津寛介市長に正式な報告書を提出しました。
尾木委員長は「(報告書が)旭川市はもとより、全国の子どもたちが希望の未来を描けるよう、いじめ対策の道標となることを願っている」と話しました。
これに対し、今津市長は「本日いただいた報告書の中身を精査検証し、必要な措置、再発防止を含めて、しっかりと対策を検討していきたい」と応えました。
市は今後、遺族側と協議の上、報告書の公表版を作成し、10日の定例市議会で内容を示す方針です。
<市教委の第三者委員会が認定した、いじめ6項目>
1.性的な話題をくり返す、体を触る 2.深夜や未明の公園などへの呼び出し 3.飲食代をおごらせる 4.性的な画像の送信の強要 5.性的な行為の強要 6.性的なからかい
※関与したのは、同じ中学と他の中学の上級生の男女7人 ※いじめと凍死=自殺の因果関係認めず
<再調査委員会、いじめが主な原因と結論の背景>
・主に4000件に及んだ広瀬爽彩さんのSNSへの投稿履歴を徹底調査 ・「怖い」「つらい」「死ぬ」など相次ぐ ・2021年2月、失踪前の最後の投稿「ねぇ 決めた 死のうと思う」
・「いじめのトラウマやフラッシュバックがずっと尾を引いて、長期間にわたって彼女を苦しめていたということがつぶさにわかる」 ・「いじめに関係なく亡くなったとは、考えにくいのではないか」