林芳正官房長官(63)は3日、国会内で記者会見し、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への立候補を正式に表明した。総裁選への出馬は2012年以来2回目で、衆院議員になってからは初の挑戦となる。
林氏は08年に防衛相として初入閣したのを皮切りに、農相、文部科学相、外相などを歴任。政策遂行能力と安定した答弁に定評があり、党内で長らく「将来の首相候補」と目されてきた。23年12月には、安倍派の政治資金パーティー裏金問題で辞任した松野博一氏の後任として官房長官に起用された。
首相就任の前例がない参院で5回の当選を重ね、21年衆院選で旧山口3区から立候補、当選し衆院くら替えを果たした。所属する岸田派(宏池会、解散決定)ではナンバー2の座長を務めた。今回、同じ岸田派の上川陽子外相(71)も出馬に意欲を示しているが、派内は林氏支持が多数派となる見通しだ。
課題は知名度不足で、各種世論調査の「次の首相にふさわしい人」では下位に低迷し続けている。総裁選の論戦などを通じてどこまで存在感を示せるかがカギとなる。
下関市出身で東大卒、米ハーバード大院修了。三井物産などを経て1995年の参院選で山口選挙区から初当選し、当選は参院5回、衆院1回。父は故・義郎元蔵相。
総裁選には小林鷹之前経済安全保障担当相(49)、石破茂元幹事長(67)、河野太郎デジタル相(61)が出馬を正式表明済み。茂木敏充幹事長(68)は4日、小泉進次郎元環境相(43)は6日、高市早苗経済安保担当相(63)は9日に出馬表明を予定している。【鈴木悟】