小泉進次郎「軍師」不在の危うさ…総裁選出馬会見は人数制限で記者“排除”、仕切り悪く評判ガタ落ち

「いま政治を変えなかったらこどもたちの時代に間に合わない」――。威勢はいいが、相変わらず言葉は軽かった。小泉進次郎元環境相が6日、自民党総裁選(12日告示、27日投開票)への出馬表明会見を開いた。満を持してのつもりだろうが、すこぶる評価を下げているのは会見の仕切りの悪さ。早くも指南役となる「軍師」不在の危うさが露呈した。
◇ ◇ ◇
会見場に入るには事前に送られてきたQRコードの確認が求められ、記者たちの座る席もあらかじめ決められていた。進次郎陣営が会見を告知したのは先月28日。しかし、その案内でハッキリ確定していたのは日時のみ。参加は事前登録制で会場は「調整中」。登録した記者に後日連絡する旨が記されていた。
「とりあえず問い合わせ先のメアドに、複数の記者の名前と連絡先などを登録したのですが、会見の2日前に『参加はメディア1社につき記者1人まで』との連絡が入りました。そんなことは案内文にはどこにも書かれておらず、だったら『先に言ってよ』という話です」(出版関係者)
そもそも、会見のアナウンス先は、主要メディアが自民党本部と衆議院内に常駐する記者クラブの「平河クラブ」のみ。それでも会見を聞きつけたクラブ外のスポーツ紙や雑誌、フリーの記者らも参加を申し出たが、「会場が満席との理由で断られた記者もいる」(フリー記者)という。
進次郎は総裁選に向け、地方視察を重ねているが、その日程を知らせるのも記者クラブ限定だ。進次郎は弁舌爽やかながら、発言の中身は常にスカスカ。想定外の質問に対しても上手に切り返すだけのアドリブ力もない。
「1社につき1人しか参加できなければ、出馬会見には気心の知れた『番記者』しか集まらない。曲がりなりにも進次郎氏は総裁選の本命で、次の首相の座に最も近い政治家。番記者たちも今後の関係に気兼ねして、厳しい質問を控えるのではないか」(政界関係者)
要は参加する記者を選り好み。出馬会見でボロが出て、底の浅さがバレるのを進次郎は恐れているのだろう。
「他候補の出馬会見は参加自由で、もちろん会場も事前に告知。自身のXでブロック機能を多用し、意見の合わない相手の投稿を次々遮断する『ブロック太郎』こと河野デジタル相でさえ、そうしています。参加人数を絞るくらいなら、もっと広い会場を借りればいい。自分に都合の悪い記者を極力、排除するのは東京都の小池知事と同じ閉鎖的な手口です」(ジャーナリスト・横田一氏)
少しは父・純一郎元首相のメディア対応を見習ったらどうだ。若手の頃からスポーツ紙、週刊誌、女性誌、漫画本などの取材を優先させて露出を図り、後の「フィーバー」の土壌を培った。今のようにSNSが発展していなかった時代とはいえ、進次郎の「塩対応」とは雲泥の差だ。
「長年、純一郎氏に仕え、マスコミ対策を担った秘書の飯島勲氏の存在が大きい。『国民の7割以上は新聞の政治面を読んでいない』とのポリシーに基づき、大衆心理に近いからとスポーツ紙、夕刊紙、雑誌の記者らに気を配り、公平に付き合っていたものです」(大手紙ベテラン記者)
進次郎のそばには飯島氏のように有能な「軍師」はいないのか。ささいな不協和音をも知らせる指南役不在なら「裸の王様」になる日は近い。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする