兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑が文書で告発された問題で、県議会第2会派の日本維新の会の県議団(21人)は7日、会派幹部が党幹部と斎藤氏の進退に関する対応を検討。近く斎藤氏に辞職を申し入れるか決める見通しとなった。最大会派の自民党(37人)は、12日に辞職を申し入れることをすでに決定。斎藤氏が応じなければ、各会派で失職につながる不信任決議案提出の動きが強まるとみられ、斎藤氏の対応が注目される。
単独での辞職申し入れを決めていた第4会派の「ひょうご県民連合」(9人)の幹部は7日、自民などと共同での申し入れとする意向を明らかにした。第3会派の公明党(13人)も足並みをそろえる方向で、近く会派として正式に決める。
5、6日の県議会調査特別委員会(百条委員会)では、告発文書を公益通報として扱わず告発者を処分した斎藤氏らの対応について審議。公益通報制度に詳しい専門家2人が対応を違法と指摘したが、斎藤氏は「対応に問題はない」とする従来の主張を繰り返した。
これを受け、自民は6日、臨時の県議団総会を開いて対応を協議。全議員に呼びかけ、9月議会(19日開会)の議会運営委員会が開かれる12日に、斎藤氏に辞職を申し入れることを決めた。自民の北野実幹事長は「知事の判断をしっかりと促したい」と述べた。
議会が首長に進退の判断を迫る際には、まず辞職勧告決議案を提出し、議会で採決するケースもある。ただ、法的拘束力はなく、辞職しないことも少なくない。今回の申し入れにも強制力はなく、かねて続投に意欲を表明している斎藤氏は応じないとの見方も強い。
その場合、ひょうご県民連合は9月議会で不信任案を提出する方針。一般質問終了後の30日か、補正予算案を採決する10月3日の提出を模索する。自民も不信任案の提出を視野に入れており、ほかの会派も追随する可能性がある。