今年5月に栃木県那須塩原市の農場で発生した2度目の豚熱について、県のタスクフォースは10日、調査結果を発表した。有識者の意見を踏まえ、来月、対応の方向性を示す最終報告書をまとめる。
再発防止策を講じるためウイルスの侵入経路の分析や飼養衛生管理基準の順守状況を、県家畜保健衛生所の職員らが調べていた。
調査によると、今年4月、発生農場の北東約7キロのところに豚熱に感染したイノシシが確認され、農場の周囲にもイノシシの痕跡があった。一方、農場内には猫やハクビシンなどの小動物の侵入が確認された。ウイルスはイノシシのふん便などに排せつされて運ばれる。タスクフォースは、ウイルスが小動物を介して、農場内に持ち込まれた可能性が高いと推測されるとした。
また死亡した豚の搬出は発生農場では1日1回で、豚舎内に放置される時間が長いことも判明した。死亡した豚が小動物を誘引した可能性があると考えられるとした。
4月から死亡頭数が増加していたのに、県への通報が遅れたことについてタスクフォースは、増加時点で豚熱を疑い、通報しなければならないという認識が不足していたと指摘した。【有田浩子】