福岡市城南区の認可保育園で7月、手足口病にかかった0歳児を職員や他の園児と隔離するため段ボール箱に入れていたことが、市や園への取材で判明した。匿名の情報提供で事態を把握した市は園を監査し、「不適切な保育」として児童福祉法に基づき口頭で注意した。今後、改善を求める文書での指導も検討する。
市や園によると、クラスで保育中に発疹が全身に広がるなど症状が悪化したため、園側は0歳児を事務室に移した。保護者が迎えに来るのを待つ間、園長が「動き回って事務室内の物を触ると、園児や職員にうつる可能性がある」と判断し、室内にあった約60センチ四方の段ボール箱に新聞紙を敷いて0歳児を座らせた。
段ボール箱の蓋(ふた)は閉めずに職員が付き添ったといい、園長は取材に「段ボール箱に入れたのは5~6分間だった」と説明。市には「(対応が)良くなかったと思う。反省している」と話したという。
一方、園では2021年10月に1歳児クラスの園児2人が保育中に園外に抜け出す事案があったことも判明。市は園児の抜け出しや見失い事案があれば報告を求めているが、今回の情報提供を受けて市が確認するまで、園からの報告はなかった。【竹林静】