ミャンマーから福岡市動物園にやってきた4頭のゾウのうち、12歳の雌ゾウ1頭が死んだと発表された10日、市役所で記者会見を行った同園の川越浩平園長(55)は「いろんな苦労を経てようやくミャンマーから来た。本当に残念だ」と、来園からわずか約40日後の別れを悲しんだ。(原聖悟)
園では、ほとんどのゾウが潜伏感染しているとされるゾウヘルペスウイルスの発症に備え、来園後から定期的に検査を実施。死んだ雌ゾウは、8月6日に陽性と判明したため、投薬治療を行い、同21日に陰性になっていた。
ところが、9月5日になって足を引きずる様子がみられたため、6日にPCR検査を実施。8日まで食欲もあったが、9日に陽性が判明し、抗ウイルス薬を投与したが、10日に死んだ。死因は不明。
園によると、これまでのところ、他の3頭に異常はみられないといい、川越園長は、「残されたゾウを大切に飼育していきたい」と述べた。
今秋控えている一般公開については、個体の状況を見極めながら時期を検討する方針。すでに公募した4頭の名前については、「死んだゾウにも名前を付けてあげたい」として、このまま進める考えを示した。