兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ疑惑などを巡り、県議会最大会派の自民党は12日、斎藤氏が辞職しない場合は、定例議会が開会する19日に不信任決議案を提出する方針を決めた。県議会の全議員が辞職を求めており、可決する公算が大きくなっている。これに対し、斎藤氏は12日、記者団の取材に続投する意向を改めて示した。
自民は12日、定例議会への対応を協議。斎藤氏が辞職を拒んでいる事態を踏まえ、19日に補正予算案などの議案を処理した後、不信任案を提出する方針でまとまった。「維新の会」や公明党、立憲民主党の県議らで構成する「ひょうご県民連合」、共産党の各会派も同調する構えを見せている。
これに先立ち、自民、公明、県民連合、共産の4会派と無所属の4人が、斎藤氏の辞職を県側に申し入れた。申し入れ書では「健全な県政と職員が安心して働ける職場を一日でも早く取り戻し、新たに信任を得た知事の下で来年度予算を編成するには、即時辞職が必要だ」と強調した。
9日には維新も辞職と出直し選挙の実施を申し入れた。これにより、県議会の全議員86人が斎藤氏の辞職を求める異例の事態となった。
自民などからの辞職要求を受け、斎藤氏は記者団に「4年間の任期を務めることが県民からの負託だ」と述べ、2025年夏までの任期を全うする考えを示した。不信任案が可決された場合の対応については「法律にのっとり、さまざまな選択肢を考える」と、従来の主張を繰り返した。
不信任案の可決には、出席議員の4分の3以上の賛成が必要。可決された場合、斎藤氏は10日以内に議会を解散するか自身が失職するかの判断を迫られる。斎藤氏が議会解散を選べば40日以内に県議選が行われ、失職した場合は50日以内に知事選となる。
[時事通信社]