京都市、インバウンド対象に寄付募る取り組みスタート 全国初

京都市は11日、急増するインバウンド(訪日外国人)に寄付金を募る新たな取り組みを始めた。スマートフォンとクレジットカードで手続きができ、寄付者には市内の飲食店などで使える電子ギフト券を贈る。市は寄付額の半額を受け取り、伝統的景観の保全や伝統産業を支援する事業などに充てる。インバウンドを対象にした寄付の仕組みの導入は全国で初という。
ITベンチャーで、国内在住者向けにふるさと納税を活用した「旅先納税」サービスを展開するギフティ(東京)と、新たに作り上げた。11日は「Donate&Go」と名付けた今回の仕組みを全国に広げるため、同社や加盟店事務を担う大阪ガス、PRを担う日本航空などと「コンソーシアム」も設立した。
京都市は2020年度からふるさと納税の獲得に力を入れ始めた。ふるさと納税の寄付受け入れ額は23年度に100億円に達した一方、外国人からの寄付は市のホームページで呼びかけるにとどまり、同年度末までの実績は17万円と周知不足が課題となっていた。
寄付金額は1000円から100万円まで。返礼の電子ギフト券は半額とする。税控除などのメリットはないが、ギフティ社は「使い道に共感いただき、地域に参画することを価値としていただくもの」と説明。市は「オーバーツーリズムが課題となるなか、観光客に地域に貢献するというこれまでとは異なる観光体験をしてもらい、(市民と)観光客との関係を変えていきたい」としている。【南陽子】

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする