麻生副総裁、決選投票に残れば高市氏を支持へ…岸田首相は別の候補を支持する意向

自民党総裁選で、麻生派(54人)会長の麻生副総裁は26日、高市経済安全保障相が決選投票に残れば、高市氏を支持する方向で最終調整に入り、派内に伝えた。ただ派内には保守的な主張を強める高市氏を敬遠する向きもあり、一部は別の候補の支援に回る可能性がある。旧岸田派を率いた岸田首相は決選では高市氏以外を支持する意向で、旧岸田派に所属した議員にも同調を促す構えだ。
党内では、麻生氏と首相の決選投票での動向が焦点となっている。国会議員票の比重が高まる決選投票では、結束の固い旧岸田派と、唯一従来の派閥を維持する麻生派の動きが結果を左右する可能性があるとみられているためだ。
麻生派からは河野デジタル相が出馬しているが、支持に広がりを欠いている。麻生氏は派閥の影響力を示すため、決選投票ではまとまった行動を取ることを目指している。読売新聞社の情勢調査では、石破茂・元幹事長と高市氏、小泉進次郎・元環境相が激しく競り合っている。
麻生氏は、高市氏の政策や保守的な政治信条を評価しているが、麻生氏と他陣営の人間関係が影響したとの見方もある。石破氏は、麻生内閣時代に「麻生降ろし」に加担した。麻生氏は、小泉氏を支援する菅前首相と武田良太・元総務相とも折り合いが悪い。
首相は1回目投票では旧岸田派に所属した議員らの投票行動に口出ししない考えだが、決選では話し合った上で投票先を一本化することを視野に入れる。首相は、高市氏では自らの政策路線の継承が困難になるとみており、決選では石破氏か小泉氏を支持する方向だ。

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