東京地裁で8日開かれた五輪汚職事件の初公判で、無罪を主張したKADOKAWA元会長の角川歴彦被告(81)は、1966年に起きた静岡4人殺害事件の再審で無罪判決を言い渡された袴田巌さん(88)を念頭に、「私を令和の袴田さんにしないでください」と訴えた。
角川被告は、紺色のスーツとネクタイに白いマスク姿で法廷に現れた。罪状認否で「KADOKAWAは私の人生そのもので、生きた証し。辱めないでいただきたい」と主張。自身の逮捕について「これほど理不尽で冷徹なものはない」と強い口調で批判した。
起訴が取り消された機械メーカー「大川原化工機」の元顧問の男性が勾留中に胃がんが判明して亡くなったことに触れ、「ひとごとではなかった」と強調。「裁判長、私は無実です。検察官がつくり上げた虚構です」と話した。
[時事通信社]