石破首相の逆ギレは説得力ゼロ 「2000万円支給問題」は裏金事件と同じ構図…またも露呈した無反省ぶり

「~という指摘は当たらない」
不祥事が起きたり、疑惑を指摘されたりする度、故・安倍晋三元首相が多用していた“言い訳”を、石破政権でも使うようになった。
派閥の裏金事件に関与したとして非公認とされた候補が代表を務める政党支部に党本部が2000万円を振り込んでいた、と報じられた問題。石破茂首相(67=党総裁)は24日、広島市で街頭演説した際、一連の報道について触れ、「非公認候補ではなく政党支部に出している。このような時期に報道が出ることに誠に憤りを覚える」と反論。
自民党はこの日、「事実を曲解し、誤解を誘導する」「裏公認との指摘は一切当たらない」との見解を記した党内向けの文書を出したのだが、ネット上では鎮静化するどころか、かえって火に油を注ぐ事態となっている。
無理もない。文書では政党交付金を原資に党勢拡大を目的として支給した、としているのだが、毎日新聞などが入手した「支部政党交付金支給通知書」を見る限り、支給額の内訳は「公認料500万円」「活動費1500万円」となっている。
非公認候補あての通知書にはこの内訳がないようだが、公認料を除く1500万円を支給した、というのであればともかく、公認、非公認関係なく一律に2000万円を支給しているわけで、「公認料ではない」「党勢拡大のためのカネだ」と言ったところで「なるほど」と納得する国民は多くはない。
党幹部らは「非公認となった無所属候補が衆院選に出馬した場合、自身の選挙運動に使うことはできない」と言っているようだが、「カネに色はついていない」のであり、実際にどう使ったのかは確認しようがない。これも言い逃れに等しい苦し紛れの弁明だ。
■首相の説明に共感、納得している国民は果たしているのだろうか
深刻なのは今回の問題で透けて見えた、自民党が裏金事件について何ら反省していないことだ。
裏金事件では政治家と党派閥の間に秘書や事務所を絡ませたり、別の政治団体を使ったりしてカネの流れが分かりにくいようにして裏金を作っていた。今回もまた、裏金候補と党本部の間に党支部を介在させてカネの流れを複雑にしているのであり、構図は同じ。
石破首相は「憤りを覚える」と逆ギレしているが、裏金事件で自民党の信用や信頼が崩れている中、なぜ国民から、さらなる疑念を持たれるような振り込みをしたのか。「活動費」というのであれば、別に衆院選が迫ったこのタイミングで振り込まなくてもよかったではないか。

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