維新代表、政権への協力拒否=「是々非々横に置く」―特別国会11日召集

石破茂首相(自民党総裁)は10日、日本維新の会の馬場伸幸代表と首相公邸で会談し、衆院選での与党過半数割れを踏まえ、今後の政権運営への協力を要請した。馬場氏は自民が調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開などの合意をほごにしたと批判。「是々非々路線は一度横に置く」と述べ、合意を履行しない限り政権に協力する考えはないと伝えた。第215特別国会は11日、召集される。
自民と維新は岸田政権時代の5月、自民派閥裏金事件を受けた政治資金規正法改正を巡る協議で「旧文通費の使途公開と残金返納を義務付ける立法措置を講じる」などとした党首間合意を交わした。しかし、自民の動きが鈍かったため、維新は自民の改正案への賛成方針を撤回した経緯がある。
首相は会談で、2024年度補正予算案に触れつつ「政治改革について協議したい」と提起。これに対し、馬場氏は「約束をほごにされた以上、予算案や法案に協力するつもりは全くない。自民の話を聞く気は毛頭ない」と拒否し、年内に履行するよう迫った。首相は「真摯(しんし)に受け止めて対応したい」と応じた。
ただ、馬場氏によると、首相は政治資金規正法再改正などの時期は明言しなかった。このため、馬場氏が「いつまでにやると明確にした方がいいのではないか」と促す場面もあったという。
首相は会談後も記者団に「年内かどうかは別として、早急に議論を詰め、結論を得ることは必要だ」と述べるにとどめた。ただ、自民幹部は「規正法は年内に再改正しなければならないだろう」と語った。
[時事通信社]

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする