11月12日(火)3時、フィリピンの東で発達中の熱帯低気圧が台風25号(ウサギ)になりました。
▼台風25号 11月12日(火)3時
中心位置 フィリピンの東
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 西 35 km/h
中心気圧 1002 hPa
最大風速 18 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 25 m/s
進路を見ると、しばらくは西北西に進んでフィリピンの北に向かう予想となっています。その後の進路は不確実で、転向して沖縄の南を東進するか、南シナ海を西進するかがまだわかりません。沖縄に接近する可能性も考えられるため、今後の情報に注意してください。
参考 世界各国の気象機関が計算した進路の数値シミュレーション結果
この図の細い線1本1本は、世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法による低気圧中心の計算結果で、初期値に意図的な誤差を与えることで予報の確実性などを検討する材料になります。
これらを比較すると、フィリピン・ルソン島付近に達したあとは予想が二分されていて、南シナ海を西進するコースと沖縄の南を東進するコースの真っ二つに割れています。日がたつにつれて誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。
台風が同時に4つ存在
台風25号(ウサギ)の発生により、台風22号(インシン)、台風23号(トラジー)、台風24号(マンニィ)とあわせて、7年ぶりに4つの台風が同時に存在することになりました。
4つの台風が同時に存在するのは2017年7月23日以来で7年ぶりとなります。1951年からの統計では、11月に4つの台風が同時に存在したことはありません。
▼台風22号 11月12日(火)3時
中心位置 南シナ海
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 南 15 km/h
中心気圧 1000 hPa
最大風速 18 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 25 m/s
台風22号は南下して勢力を落とし、熱帯低気圧に変わる予想です。今後は日本への影響はありません。
▼台風23号 11月12日(火)3時
中心位置 南シナ海
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 北西 20 km/h
中心気圧 990 hPa
最大風速 25 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 35 m/s
台風23号はフィリピンを通過後も西寄りに進んで、南シナ海で勢力を落とす予想です。気圧配置の影響で沖縄では波が高くなっていますのでご注意ください。
▼台風24号 11月12日(火)3時
中心位置 トラック諸島近海
大きさ階級 //
強さ階級 //
移動 西南西 15 km/h
中心気圧 1000 hPa
最大風速 23 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 35 m/s
台風24号は西に進んで、しばらくはさほど発達することがない見込みですが、フィリピンの東で次第に発達する見込みです。今後の情報に注意してください。
台風のシーズンはまだ続く
平年の台風発生数
台風の発生は、今月9日(土)に発生した台風23号・台風24号以来3日ぶりで、今月に入ってからは4つめです。11月の台風発生数の平年値は2.2個で、まだ台風の発生は珍しくない時期ですが、今年は特に発生数が多いペースです。
例年11月以降になると台風の接近・上陸は少なくなってきますが、過去には11月末に本州に上陸した台風も記録にあり、まだ油断はできません。
台風の名前
北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風22号の名前「インシン(Yinxing/杏)」は中国が提案した名称で、木の名前(イチョウ)からとられています。
台風23号の名前「トラジー(Toraji/)」は北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)が提案した名称で、桔梗のことをさす朝鮮語からとられています。
台風24号の名前「マンニィ(Man-yi/萬宜)」は香港が提案した名称で、現在は貯水池となっている海峡の名前からとられています。
台風25号の名前「ウサギ(Usagi)」は日本が提案した名称で、うさぎ座・兎が由来です。