【石破首相の裏金候補への「2000万円支給」問題】無所属で出馬した候補が「党支部」の資金で選挙を戦っていた事実に「党資金の私物化も同然」の指摘

臨時国会では「政治とカネ」をめぐり与野党が論戦を交わしているが、石破茂・首相に政治改革を唱える資格があるとは思えない。先の総選挙中に明るみに出て、自民惨敗の“決定打”となった「裏金候補への2000万円支給」──今回、改めて問題となった候補たちの選挙資金の流れを徹底検証すると、石破首相の説明が“詭弁”であった重大疑惑が浮上した。【全3回の第1回】
「選挙に使うことは全くない」と“逆ギレ”
「政治資金問題や改革姿勢に対する叱責だった」
石破首相は所信表明演説(11月29日)で総選挙大敗の原因をそう語り、政治とカネをめぐる政治改革のやり直しを表明。敗戦の責任を取って選対委員長を辞任した小泉進次郎氏を政治改革本部事務局長に起用し、「政策活動費の廃止」などの案をまとめた。
国会でも再び政治資金規正法改正の議論が始まったが、石破首相に本気でやる気がなければ、法改正を何度繰り返しても弥縫策でしかない。
石破首相は政治改革を言う前に、選挙中の「2000万円支給」を国民に謝罪すべきなのだ。
先の総選挙で石破首相は裏金候補12人を非公認の処分にしたが、選挙期間中、自民党本部から非公認候補ら8人の党支部に「党勢拡大のための活動費」の名目で公認候補と同じ2000万円を密かに提供した。その原資は政党助成金、つまり国民の税金だった。
だが、そのことが発覚して国民から猛批判を浴びると、石破首相は「(党支部への交付だから)非公認候補に出しているわけではない」と屁理屈をこね、「選挙に使うことは全くない。偏った見方に負けるわけにはいかない」と“逆ギレ”までして見せた。
では、本当に2000万円は選挙に使われなかったのか──。
党の資金の私物化も同然
本誌・週刊ポストは候補者(出納責任者)が選挙後に選挙管理委員会に提出しなければならない「選挙運動費用収支報告書」から各候補の選挙資金の出所を調査した。
石破首相が12人の非公認を正式に決定したのは衆院解散当日の10月9日。自民党本部が2000万円を交付したのは中根一幸氏(埼玉6区)、三ツ林裕巳氏(埼玉13区)、平沢勝栄氏(東京17区)、小田原潔氏(東京21区)、萩生田光一氏(東京24区)、細田健一氏(新潟2区)、高木毅氏(福井2区)、上杉謙太郎氏(福島3区=※無所属で出馬)が代表を務める8つの自民党支部で、カネは総選挙の公示後、10月16日の振り込みだったと報じられた(同23日付、『しんぶん赤旗』の報道)。

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