「オスロへ日本被団協代表団を送ろう!」
日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)にノーベル平和賞が贈られた授賞式から一夜明けた11日、日本被団協が代表団の旅費を募っていたクラウドファンディング(CF)の賛同者が5000人を突破した。
日本被団協によると、被爆者ら計約30人が授賞式があったノルウェー・オスロに渡航したが、ノーベル賞委員会が渡航費用や宿泊代を負担するのは代表委員の3人分のみで、他の同行者の旅費は自己負担になる。オスロへの飛行機代や現地の宿泊費は1人当たり約50万円かかるという。
日本被団協は受賞決定後の11月15日、旅費の寄付を呼びかけるCFを開始。約1日で目標額の1000万円を達成した。
日本時間10日午後9時ごろにオスロで授賞式が始まった際は4955人だったが、代表委員の田中熙巳(てるみ)さん(92)の受賞演説中も寄付者が増え、11日になって5000人を超えた。午前9時現在で寄付者は5033人に達し、寄付額は約4200万円に上っている。今回の旅費を除いた余剰金は今後の活動費に充てる方針。
CFの窓口になっているNPO法人「ノーモア・ヒバクシャ記憶遺産を継承する会」事務局の平井朗さん(70)は「驚き、感謝している。田中さんの訴えが今も直面する問題として伝わったからだと思う」と話した。
被爆者による運動や証言などの記録を保存・管理してきた継承する会は、田中さんの演説でも取り上げられた。昨夜から入会や活動支援に関する問い合わせが十数件寄せられているという。【高木香奈、宇城昇】