石破内閣が初めてまとめた総合経済対策を実現するための2024年度補正予算案は12日の衆院本会議で、自民、公明、日本維新の会、国民民主各党の賛成多数で可決され、参院に送付された。政府・与党は13日から参院予算委員会で審議を始め、17日の成立を目指す。
補正予算案は一般会計総額13・9兆円で、地震と豪雨災害に見舞われた能登半島の復旧・復興費や電気・ガス料金の補助などが計上された。
政府・与党は立憲民主党の要求を受け、復旧・復興費を1000億円増額する修正に応じた。増額分は予備費からの支出で総額に変更はないが、衆院に提出された予算案が修正されるのは28年ぶりで、補正予算案では初めて。石破首相は12日、衆院通過に関し、「言いっぱなし、聞きっぱなしではなく、熟議になった。ありがたく思っている」と首相官邸で記者団に語った。
衆院で過半数を割り込む与党は、政策ごとに協力を求める「部分連合」を目指し、各野党に働きかけた。
国民民主とは、11日に年収103万円を超えると所得税が課される「103万円の壁」の引き上げや、ガソリン税に上乗せされている暫定税率の廃止で合意。12日には、維新と教育無償化などの実現に向けた協議体の新設で合意し、いずれからも賛成を取り付けた。
野党第1党の立民については、要望を反映した修正案を12日に提出し、採決を行う環境を整えた。
立民は委員会採決では、修正案に賛成したが、本会議採決では、政府案と一本化されたことから反対に回った。
立民の野田代表は衆院本会議後、補正予算案に緊急性の低い基金への支出が多いことを挙げ、「根本的な欠陥があり、そこが是正をされない限りは賛成できない」と記者団に語った。