カー用品店の新入社員が自殺。パワハラが原因だったと両親が提訴です。
京都市伏見区のカー用品店「タイヤ館」に勤めていた新入社員の男性(当時24)。2021年に入社して、わずか8か月で自ら命を絶ちました。男性は子どもの頃から車が好きで、整備の仕事を目標にしていたといいます。
(父親)「最初はちょっとタイヤが重たくて持てなかったので、自分なりにYouTubeを見て、筋トレをして、慣れない環境ではあったと思うんですけど自分なりに努力していたと思う」
「タイヤ館」の運営会社が男性の両親に示した報告資料によりますと、男性は作業中、エレベーターにタイヤを投げ入れたことで注意を受け、エレベーターのスイッチを殴りました。報告を受けた上司は、男性の目の前で「警察沙汰や、器物損壊や」と大声で言ったといいます。翌日、男性は別の上司と約1時間の面談をし、その帰宅途中に橋から河川敷に飛び降りて死亡しました。
(母親)「悲しいけども、感情が追いつかない。この状況が何なんだろうかっていう感じでした。1人で逝かせてごめんねって、ずっと思っています」
2024年4月、京都南労働基準監督署は、ほかの労働者の前での威圧的な発言などがパワーハラスメントにあたると判断し、自殺を労災と認定しました。会社側は両親に「パワハラに該当する行為はなかった」と説明してきましたが、労災認定後、遺族に補償金を支払ったということです。
両親は12月26日、「パワハラを認め、謝罪してほしい」と訴え、運営会社を相手に民事裁判を起こしました。
(父親)「新入社員で未熟な息子が間違ったことがすれば、常識的な指導や注意があるのは当たり前だとは思いますが、(息子が)命を絶ってまで責任を取らなければならないことをしたのか。パワハラを認めて謝罪していただきたいです」
「タイヤ館」の運営会社は「訴状が届いていないので現時点でのコメントは差し控える」としています。