北九州市小倉南区のファストフード店で起きた中3男女殺傷事件で、逮捕された同区の無職平原政徳容疑者(43)が入店前に生徒側と目が合ったと感じたことをきっかけに一方的に怒りを募らせた可能性があることが、捜査関係者への取材でわかった。福岡県警は身勝手な思い込みで不快感を覚えたとみて、動機を調べる。
事件は昨年12月14日に発生し、平原容疑者は同19日に男子生徒(15)への殺人未遂容疑で逮捕された。捜査関係者によると、当初は同容疑を認め、生徒側を襲った理由に関する言及もあった。ただ、現在は「殺すつもりはなかった」と殺意を否認し、今月9日、処分保留となった。
同日、女子生徒(15)への殺人容疑で再逮捕された際は「認めない」と供述し、刺した行為自体を否認したという。県警は供述の信用性も含めて捜査している。
平原容疑者は事件直前、店舗周辺を車で行き来した後、生徒2人の入店とほぼ同時刻に車で駐車場に入っており、県警は入店前には2人を狙っていたとみている。福岡地検小倉支部は近く鑑定留置を実施し、精神状態を詳しく調べる。