不法滞在のベトナム人ら50人を雇い入れ、雇用保険に加入させなかったなどとして、茨城県警は15日、坂東市の人材派遣会社の代表取締役の男(63)を雇用保険法違反(雇用保険被保険者の未届け)と労働施策総合推進法違反(外国人雇用状況の未届け)の疑いで逮捕した。県警は同社が約100人のベトナム人を違法に雇用していたとみている。
発表によると、男は2022年6月~24年10月16日の間、不法滞在などのベトナム人50人を雇用したにもかかわらず、雇用保険の資格取得届や在留資格などを記入した届をハローワークに提出しなかった疑い。容疑を認めている。
雇用保険法などでは、労働者の1週間の労働時間が20時間以上などとなる場合、事業主がハローワークに保険の資格取得届を提出することが義務づけられている。また、外国人を雇用する際には在留資格などを確認して届け出る必要がある。
県警は昨年11月7日、ベトナム人の女1人を入管難民法違反(不法残留)容疑で現行犯逮捕し、捜査の中で男の会社が浮上した。雇ったベトナム人は境町などにある三つの会社の工場に派遣し、作業員として業務にあたらせていたという。県警は男が不法就労の事実を隠匿しようとしていたとみており、同法違反(不法就労助長)容疑でも調べる方針。
出入国在留管理庁によると、23年の茨城県の不法就労外国人は2748人で全国最多。県警は不法滞在者と雇用主の摘発を両輪で進めたい考えだ。