鳥インフルで119万羽処分 愛知知事「卵の値段上がってきている」

高病原性鳥インフルエンザの感染が全国の農場で猛威を振るっている。卵を産む採卵鶏の殺処分が続いていることから、卵価格にも影響が出てきている。既に11の採卵鶏農場で感染が確認され、計約119万羽の殺処分が進む愛知県の大村秀章知事は「卵の値段が上がってきている。何とか早いうちに食い止めたい」と危機感を見せている。
農水省によると21日午前8時現在、鳥インフルエンザは14道県で40事例発生。多くは採卵鶏の農場で、殺処分対象は採卵鶏だけで計約630万羽に上っている。
愛知県内トップの卵産地である常滑市は2023年の採卵鶏飼育数は約138万1000羽。しかし、今季は今月2日から市内で鳥インフルの感染が相次ぎ、21日にも市内9例目の感染が確認された。既に約85万羽が殺処分の対象になっている。
「JA全農たまご」の相場(Mサイズ、1キロ当たり)は21日現在、今月6日よりも全国各地区で20~35円上昇。過去5年間の1月の平均値に比べ今年は3割ほど高くなっている。
21日の定例記者会見で大村知事は、2シーズン前の鳥インフルエンザ大流行後に卵の価格が高騰した「エッグショック」を引き合いに出し、「2年前にじわじわ近づいている。全国流通の物の価格の安定や供給確保は国の役割。しっかりやっていただきたい」と話した。【加藤沙波】

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