斎藤知事の“パワハラ疑惑”は『おおむね事実』 元県民局長に対する処分は『告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応』 百条委の調査報告書

兵庫県の斎藤元彦知事をめぐる一連の問題で、告発文書を調査していた百条委員会が報告書を公表しました。
去年6月に設置が決まった百条委員会。兵庫県議会では51年ぶりのことでした。設置の目的は、元県民局長が作成・配布した斎藤知事に関する告発文書の調査です。
9か月間に及ぶ調査で呼んだ証人は、のべ34人。百条委員会の設置前は、告発文書で指摘を受けたパワハラ疑惑などについて詳細なコメントを避けてきた斎藤知事でしたが、去年8月の百条委では…
(百条委員会 奥谷謙一委員長)「20m程度前で公用車を降りて歩かされただけで、出迎えた職員や関係者を怒鳴ったことについておうかがいします」
(斎藤知事)「会議が始まる直前で外だったこともあり、大きい声でその旨を伝えたと記憶しています。歩かされたことに怒ったのではなく、円滑な車の進入を確保していなかったことへの注意です」
また、別の日には、片山安孝元副知事から県が行った内部調査のはじまりについて重要な証言が飛び出します。
(片山安孝元副知事 去年9月)「(文書を)誰が出したのか、どういう目的で出したのか。その日の打ち合わせのときに、知事から『徹底的に調べて』と言われた記憶があります」
ほかにも、県職員を対象としたアンケートを実施するなど実態解明に努めてきた百条委員会。その一方で、斎藤知事の“出直し選挙”の最中には委員に対する誹謗中傷がSNS上で加熱し、今年1月には「最悪の結果」として表面化します。
百条委員会の元委員で、誹謗中傷に悩んでいたとされる竹内英明元県議が死亡したのです。あろうことか、竹内元県議のことを「知事失職の黒幕」などと名指した文書をNHK党・党首の立花孝志氏に提供したのは、維新所属で百条委員会の副委員長を務めていた岸口実県議でした。さらに…
(増山誠県議 今年2月)「私は今でも立花氏がデマを言っていたとは認識しておりません」
同じく維新所属で百条委員会の委員だった増山誠県議も、去年10月に非公開で行われた片山安孝元副知事への証人尋問を録音し、知事選の告示直前に立花氏に提供したことを認めました。調査報告書の取りまとめに向けた協議が大詰めを迎える中で2人は百条委員会の委員を辞職。激震が走りました。
そして、3月4日、最後の百条委員会が開かれ、ついに調査報告書がとりまとめられました。
(奥谷委員長)「パワハラ行為と言っても過言ではない言動があった。斎藤知事におかれては、報告書を重く受け止め、兵庫県のリーダーとして厳正に身を処していかれることを期待する」
調査報告書では、斎藤知事のパワハラ疑惑について「おおむね事実だった」などと評価。さらに告発者を特定し処分した県の初動について違法性を指摘したうえで、「県民局長の職を解き、通報者を公表したことは、告発者潰しと捉えられかねない不適切な対応」などと記載しています。
調査報告書は3月5日の兵庫県議会本会議で諮られる見通しです。

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