真冬の未明に歩道に倒れていた高齢女性の人命を救助したとして、福島県警相馬署は4日、松沢新聞店(相馬市小泉)の新聞配達員、佐々木友子さん(69)に感謝状を贈った。
佐々木さんは2月19日午前3時頃、同店の車を運転し、読売新聞や福島民友新聞などを相馬市で配達していたところ、80歳代の女性が頭から血を流して歩道に倒れているのを発見した。気温は氷点下で、女性ははだしで、ぶるぶる震えていたという。佐々木さんは「おばあちゃん大丈夫ですか」と声をかけ、自分のジャンパーを羽織らせた上で同署に連絡し、女性は助かった。
感謝状の贈呈式で、佐々木さんは「放っておけなかった。人として当然のことだが、助かって良かった」と話した。2年ほど前から新聞配達をしているという佐々木さん。午前4時から玄関で新聞を待っている読者と「風邪をひくから温かくしてください」などと会話するのが大好きだという。女性の家族から感謝の言葉をもらったといい、「今後の配達の励みになる」と語った。
松沢新聞店の松沢行訓所長(53)は「普段から新聞がたまっている家があったら連絡するなど、意識的に動いてもらっていることに感謝している」と話した。同署の辺見辰雄署長は「住民の安心安全に尽力してもらいありがたい」と述べた。