岩手・大槌町職員追悼式に遺族ら30人 式典は今後のあり方検討へ

岩手県大槌町で11日、東日本大震災で犠牲になった町職員40人の合同追悼式が旧役場庁舎跡であった。幹部職員や遺族約30人が参列し、亡くなった職員の冥福を祈り、防災施策の充実を誓った。平野公三町長は追悼のことばで「式典のあり方を検討すべき時期に来ている」と述べ、終了も含めて再考する考えを示した。
大槌町は旧庁舎跡地から海側に200メートルほど離れた町有地に追悼施設を建設中で、8月上旬に完成予定。平野町長は式後の取材に「施設の完成は大きな節目。震災後に入庁した職員も増えている。遺族の意向も聞いたうえで検討を進めたい」と話した。
参列者で福祉課職員だった兄を亡くした倉堀康さん(41)は「式典がどうなろうと慰霊の気持ちは変わらない」と語った。
大槌町は震災時、低地にあった旧庁舎前に災害対策本部を設置。津波は庁舎を直撃し、当時の町長や複数の幹部職員らが犠牲になった。旧庁舎は町内を二分する議論の末、2019年に解体された。職員の遺族は跡地に石碑の建立を計画し、町に用地の無償貸与を求めて交渉を続けている。【奥田伸一】

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