日本語対応のオンラインカジノ40サイト 7割がカリブ海の島

オンラインカジノに関する警察庁の初めての実態調査の中には、日本語で利用できる40のウェブサイトの分析もあった。すべて海外で取得されたライセンスで運営されており、うち7割が、カリブ海に浮かぶ島に集中していた。
サイト調査は2024年8月~25年1月に実施。ライセンス国の内訳は、28サイトがカリブ海のオランダ領キュラソーだった。キュラソーはタックスヘイブン(租税回避地)とされ、オンラインカジノ業界では主要な運営拠点になっているという。
ほかは、アフリカのコモロのアンジュアン島が5サイト、欧州のマルタと中米のコスタリカが2サイトずつ、英領のジブラルタルとマン島、ジョージアが1サイトずつだった。キュラソーを含めて国際的に見て規制が緩やかな国とされ、それに依存する形でオンラインカジノが運営されているという。
日本市場への依存度の高さもうかがえた。日本市場は多くのサイトでアクセス数の上位5カ国に含まれていた。日本からのアクセス率は、人気が高いとされる「ベラジョンカジノ」と「遊雅堂」は96%と99%となるなど、20サイトで9割を超えていた。うち6サイトは日本からのアクセス率が100%だった。
日本からのアクセス率が確認できる35サイトのうち、日本からのアクセスは全体の約3割に当たる約1700万回に上った。8サイトは日本語のみに対応。一方で日本からの利用禁止を明示しているのは2サイトのみだった。
40サイトのうち35%は専用のアプリがあってスマートフォンから手軽に利用でき、うち大半は無料でプレーできる仕組みがあった。電子マネーや仮想通貨(暗号資産)のほか、クレジットカード、銀行振り込みで入金が可能だった。
利用者を勧誘すれば報酬が支払われるアフィリエート広告を多くのサイトが採用。SNS(ネット交流サービス)で公式アカウントを作って情報を発信するサイトも多い。
スポーツ選手や芸能人を広告塔としているサイトも多数あった。警察庁はこれらの著名人について、使用される合意があった上で広告に出演していれば賭博ほう助罪にあたる可能性があるとして注意喚起する方針。【山崎征克】

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