中部電力は17日、2009年から廃炉作業を続けている浜岡原子力発電所1、2号機(静岡県御前崎市)のうち、2号機の原子炉解体作業に着手したと発表した。1号機の原子炉も来年度に解体作業を始める。原子炉の解体は国内の商業用原発では初めて。
中部電力によると、2号機は原子炉解体で生じる廃棄物の保管場所が確保できたため、1号機に先行して着手した。この日は、建屋内にある原子炉圧力容器のふたをクレーンで取り外した。使用済み核燃料は既に取り出されており、今後は専用の切断装置などを使い、圧力容器や格納容器の解体作業を進める。1、2号機とも35年度までに原子炉の解体を終え、建屋の撤去などを含めた廃炉の完了を42年度に予定する。
廃炉が決まっている国内の原発は24基ある。うち浜岡原発1、2号機と日本原子力発電「東海原発」(茨城県)の計3基以外は、11年の東京電力福島第一原発事故後に廃炉が決まった。
浜岡原発1号機は1976年、2号機は78年にそれぞれ運転を開始したが、トラブルや点検・工事などで、2001、04年に相次いで運転を休止。その後、新たな耐震対策をした場合、多額の費用がかかることが判明し、採算の問題などから09年1月に運転を終了した。
廃炉作業は4段階に分かれており、原子炉解体は第3段階にあたる。原子炉の具体的な解体手法などの変更が昨年12月、原子力規制委員会に認可され、初めての原子炉解体が始まった。