横浜のご当地ソングとして知られる「ブルー・ライト・ヨコハマ」を歌った歌手で俳優のいしだあゆみ(本名・石田良子=いしだ・よしこ)さんが11日、甲状腺機能低下症のため死去した。76歳だった。所属事務所が17日、公式ホームページで公表した。葬儀は近親者で営んだ。遺志により、お別れの会なども行わない。
1948年生まれ、大阪府出身。62年に上京し、作曲家のいずみたくに師事。64年に歌手デビューした。
筒美京平が作曲し、68年に発売されたシングル「ブルー・ライト・ヨコハマ」が100万枚を超えるヒットを記録した。69年に同曲でNHK紅白歌合戦に初出場し、93年までに計10回出場した。
俳優としても活躍し、64年に「喜劇 駅前音頭」で映画デビュー。「駅 STATION」(81年、降旗康男監督)では高倉健が演じた主人公の妻を演じた。
86年には檀一雄の同名小説が原作の「火宅の人」(深作欣二監督)と、倉本聰さんの初監督映画「時計 Adieu l′Hiver」の2作に主演し、毎日映画コンクール女優主演賞、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した。
2020年に亡くなった小説家のなかにし礼(享年82)は義弟にあたる。20年、文化庁長官表彰。21年、旭日小綬章受章。