奈良県香芝市の国道にかかる歩道橋の架け替え工事の費用負担を巡り、市が県を相手に訴えを起こしました。
香芝市によりますと、奈良県は荒井前知事時代の2022年、国道168号の拡幅事業に伴って、上中にある歩道橋を廃止する方針を示しました。
しかし、市は安全面から必要性を伝え、市が工事費用の一部を負担し県が新しい歩道橋の設置工事をする協定を県と結びました。
歩道橋は2024年に完成し、県は市に工事費の内約5100万円の負担を求めました。
しかし市は「委託契約を結ばず、金額について最終的な合意を経ないまま工事を実施した」などと県の手続きに違反があり、負担するとしても2100万円あまりにとどまると主張。
議論は平行線のまま2024年年末に協定書の有効期限が切れました。
香芝市は議会の議決を経て21日、県に対し工事費用を負担する責任がないことの確認を求める訴えを奈良地裁に起こしました。
三橋和史・香芝市長は、「奈良県の事務には法的に問題があり、市民の税金をお預かりする立場として、公金を支出することはできない」としています。
一方、山下真・奈良県知事は21日の会見で、「債務不存在の理由はまったく根拠の無いもので、香芝市に訴えを起こす利益もなく、(提訴したことへの)理解が難しい」として争う姿勢を見せています。