万博で55年ぶり出現の「人間洗濯機」公開…吉村洋文大阪府知事が入浴1号「めちゃめちゃ気持ちいい!」

2025年大阪・関西万博で大阪府・市などが出展する「大阪ヘルスケアパビリオン」が23日、大阪市此花区の会場内で開館式を行い、目玉展示物のひとつである「ミライ人間洗濯機」を、吉村洋文府知事が“第1号入浴者”として体験した。
1970年大阪万博では、三洋電機(現パナソニック)が人間洗濯機「ウルトラソニックバス」を出展したが、今回はシャワーヘッド「ミラブル」でおなじみの株式会社サイエンス(大阪市淀川区)が製作。首から上はどうにもならなかった55年前のマシンとは違い、顔も髪も含めて全身を“洗濯”するのが売りだ。
同社の青山恭明取締役会長は「70年万博はプロのモデルさんがお入りになった(だけ)。私はその時小学校4年生で『入りたい』と思った。今回は一般公募しまして、既に850人が申し込みいただいた。生涯の思い出を作っていただきたい」と実際に体験できることをアピールした(一次募集は終了)。
そして報道陣の拍手とともに白のガウン姿で現れたのが吉村知事だ。バッと脱ぎ捨てると中身は海パンにラッシュガード姿で、何かを期待していた一部の報道陣からはため息。そして知事自身も何やら浮かない表情を見せた。「楽しみ半分、不安半分。大丈夫ですか? ブクブクってなったら(溺れたら)助けてね」と、おっかなびっくりマシンに身を沈めた。
しかし洗濯が始まるとリラックス。水滴のついたカプセルの窓に「OK」と指で書いた。約15分後に排水、乾燥が完了。ハッチが開いて無事に“生還”した知事はスッキリした様子に変わっていた。心なしか顔のくすみが取れて“漂白”されたように見える。自らの脚をさすりながら「スゴい! なんでこんなツルツルなの?」と驚きの表情。「めちゃめちゃ気持ちいい。息できるかな思ててん。頭も(顔も)一緒に洗うんで。でもシャワーが優しくて、普通に息もできた。ビール飲んで帰りたい」と満足そうだった。
マイクロバブル(直径0・1ミリ未満の泡)の湯につかって体を、ウルトラファインバブル(同0・001ミリ未満の泡)のシャワーで髪や頭を洗浄する。さらに背中が触れる部分に脈動と体の微弱電流を測るセンサーがあり、AIが自律神経の状態を把握。水流を自動調整しながら、最適な音楽や画像を流して「心まで洗う」(青山会長)という。
知事は「ひょっとしたらこれが、ミライのお風呂の形になるのかも。僕が高齢者になった頃には、介護とかいろんな課題が出る中で、お風呂に入りたい時に入れることができる第一歩になるかもしれない」と再びガウンを羽織りつつ、納得してブースを去った。55年前の万博で「スマホ」「回転ずし」「缶コーヒー」が展示され、いずれも“未来”の世界で実際に生活に欠かせないものとなっている。唯一実現化、商品化されなかったと言われる「人間洗濯機」。一家に一台となる日がやってくるのだろうか。

シェアする

フォローする