熊本地震「前震」から9年、県庁で追悼式…遺族同士が交流する場を初めて設置

最大震度7を2度観測した熊本地震は14日、「前震」の発生から9年となった。甚大な被害を受けた熊本県益城町には献花台が設置され、県庁(熊本市中央区)では犠牲者追悼式が営まれた。
関連死を含めて45人が亡くなった益城町では、役場前の震災記念公園に献花台が設置された。地震で自宅が倒壊した女性(79)は「犠牲者の冥福を祈るとともに、復旧の様子を報告した」と話した。
追悼式では、遺族や木村敬知事ら20人が黙とうし、花を手向けた。式典で木村知事は「地震によって失われた数多くの命や大きな犠牲の上に今があることを決して忘れず、地震の記憶や教訓を語り継いでいく」と誓った。開式前には、遺族同士が交流する場が初めて設けられた。
犠牲者を巡っては、この1年間で熊本市が新たに2人を災害関連死と認定。死者は熊本、大分両県で計278人となった。
熊本地震では2016年4月14日夜と同16日未明に、相次いで震度7の揺れに襲われた。最大2万255世帯4万7800人が身を寄せた仮設住宅(みなしを含む)は、23年3月で閉鎖。今年3月末には熊本県の全自治体を対象とした災害救助法の適用が終了した。

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