吉村大阪府知事 万博リング南側約600メートル分について新たな意向 「今の形のまま残すべき」

大阪・関西万博のシンボル「大屋根リング」について、万博協会は2日、閉幕後の活用方法として約1割にあたる200メートルほどを残す方向で調整していることを明らかにしました。
また、リング南側の約600メートル分については、吉村洋文・大阪府知事が「今の形のまま残すべき」という意向を新たに示しました。
「大屋根リング」は高さが12メートルから20メートル、一周約2キロメートルの世界最大の木造建築物で、大阪・関西万博の「シンボル」として親しまれています。
このリングをめぐり国や大阪府・市、万博協会、経済界は2日会合を開き、万博閉幕後の活用方法について協議。
リングの約1割にあたる北東部分約200メートルを保存し、残りの部分は可能な限りリユース・リサイクルを図る方針を確認したということです。
約200メートル部分の保存方法については人が立ち入れない「モニュメント」として残すのか、今ある形のまま残すのかで意見が分かれたといい、6月下旬に開かれる万博協会の理事会で正式に方針が決定される予定です。
また、大阪府の吉村知事はリング南側の約600メートル部分について、「いまの形のまま残すべき」とする案を新たに示しました。
ただ、リング南側では万博閉幕後に埋め立て工事が実施され、新たな開発が進むまでに約10年間を要すると考えられていて、その間のリングの改修と(約10年間の)維持には少なくとも17億円がかかると試算されています。
この試算も踏まえて約600メートル部分を残す場合の管理主体や財源についてさらに協議が進められる予定ですが、国や経済界は「リングの保存にかかる費用をこれ以上負担するつもりはない」とする意向を示していて実現のハードルは高いとみられます。

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