6月4日から1泊2日の日程で、天皇ご一家は沖縄を訪問され、両陛下の「慰霊の旅」に愛子さまも初めて同行された。両陛下を支える成年皇族として、ご成長著しい愛子さま。その愛子さまが幼少の頃から慕う秋篠宮家の長女・小室眞子さん(33才)が、異国の地で第1子を出産していたことが5月に報じられた。
「一人っ子の愛子さまにとって、眞子さんは年の離れたお姉さんのような存在。2021年10月、眞子さんが結婚の挨拶のため両陛下を訪問された際には、愛子さま、さらにはご一家にとってごく親しい人のときだけ同席する愛犬の由莉も一緒に迎えられたといいます。両陛下にとっても、眞子さんは大切な親族であり、幸せを願ってやまない存在なのです」(宮内庁関係者)
天皇家勢揃いで門出を祝われた眞子さん。しかし愛子さまは彼女の出産の報に接し、喜びだけではなく、複雑な心境を抱えていらっしゃるという。
「本来であれば、年上の女性皇族である眞子さんの結婚は、愛子さまにとっての道標となるはずでした。しかし実際には、眞子さんはご自身の結婚への思いを貫いた結果、従来の結婚行事も行わない“異例ずくめの結婚”の道を選択せざるを得なかった。そのため出産という慶事にもかかわらず、秋篠宮家と宮内庁は当初、事実を黙殺するという無情の対応を見せたのです。
周囲が望む結婚をせず、一度皇室と距離ができてしまえば、こうした仕打ちが待っているという“前例”に、愛子さまがご自身の将来を重ねられ、心を痛められていることは想像に難くありません」(宮内庁関係者)
さらに、これまで遅遅として進まなかった皇室制度改革の議論が着地点を模索する中、眞子さんの出産に呼応するように事態に動きがあった。保守派の象徴的存在・麻生太郎議員が、やや唐突に口火を切ったのだ。
6月5日、各党で合意の取れている《女性皇族が結婚後も皇室に残れるようにする》という案のみを今国会で成立させようという動きに対して、「多くの党が支持する養子縁組案を棚に上げ、とりまとめることは不自然でまかりならない」と発言したのだ。これに対して立憲民主党の野田佳彦代表は、議論を振り出しに戻す“ちゃぶ台返しだ”と批判した。
「そもそも保守派は、男系男子による皇統維持へのこだわりが強い。そのため皇族数確保の手段として、《旧皇族の宮家を養子縁組によって皇族として復帰させる》という案を主張してきました。彼らにとっては、女性皇族が結婚後も皇室に残ることと、旧皇族の養子縁組はセットなのです。一方で、最終的に女系天皇の議論につながることを危惧し、女性皇族の配偶者とその子供に皇族の身分を与えることには断固反対の立場です」(全国紙政治部記者)
男の子が生まれるとは限りません
愛子さまや佳子さまといった結婚前の女性皇族の未来に大きくかかわるこの議論。混迷を深める要因のひとつとなったのが、図らずも眞子さんの結婚だった。
「眞子さんの結婚相手となった小室圭さんの母・佳代さんに浮上した金銭トラブルは、いまだ国民の中でも鮮明な記憶として残っている。この一件は、一民間人に皇族の身分を与えることへの危機感を、保守層に対して具体的に提示することになりました。
現状の案を前提に考えれば、愛子さまが結婚後皇室に残ることを選択されると、配偶者や子供は一般人のままで、戸籍も別になる。愛子さまが結婚後も皇室を支えたいと願われた場合、“いびつな家族の形”になってしまうという苦悩が待っています。そうしたゆがみを回避する唯一の方法として、保守派は愛子さまが養子縁組で皇室に復帰した旧皇族と結婚する道を提示しようとしているのです」(皇室ジャーナリスト)
仮に、愛子さまが旧皇族の男性と結婚した場合、将来的に生まれてくる子供は男系の血筋となる。
「次代の天皇となるのは悠仁さまで、悠仁さまの血筋が天皇家を継承していくことは決まっています。しかし、保守派が願うように悠仁さまがご結婚後、男の子が生まれるとは限りません。そのため、悠仁さまの家族とは別に、男系皇族が誕生することになれば、保守派にとってはいちばん都合がよいのです。
実際、安倍晋三元首相は生前、“愛子さまは旧皇族の宮家の末裔と結婚すればいい”という趣旨の発言をしていたことが伝えられています」(前出・全国紙政治部記者)
天皇陛下の長女として、愛子さまへの国民の期待は大きい。
「3年前の成年会見で“これからも長く一緒に時間を過ごせますように”と両陛下への思いを話された愛子さま。“生涯皇族”の覚悟は、すでに愛子さまの中に芽生えていらっしゃるようにも感じますが、皮肉にも愛子さまが皇室を支えたいと願えば願うほどに、将来の選択肢を“せばめようとする外圧”が存在するのもまた事実なのです」(前出・宮内庁関係者)
皇室と結婚の間で板挟みになる若きプリンセスの悩みは深まるばかりだ。
※女性セブン2025年6月26日号