クマ被害相次ぐ 軽トラを突然追いかけ…遭遇の男性、緊迫の状況語る

市街地でクマに襲われ、住民がケガをする被害が相次いでいます。30日、クマが出没した栃木県では、遭遇した男性が当時の緊迫した状況を語りました。

岩手県盛岡市のアパートの駐車場に突然、現れたクマ。小走りで通り抜けていきました。
クマを目撃した住人
「割と大きかったです。成獣ですね。フェンスの内側をずっと回って(反対の)ベランダからも見えた。また戻って(逃げて)いきました」
――見た瞬間は
クマを目撃した住人
「びっくりしましたよ」
さらに、このクマと同じ個体かはわかっていませんが、30日早朝、アパートから500メートルほど離れた場所で人がクマに襲われました。
ケガをしたのは81歳の男性。道で草刈りをしていたところ、クマに追いかけられ、頭をひっかかれたといいます。
近所の住民
「『クマが出たから気をつけてください』と放送してた」
――この辺でクマが出たと聞いたことは?
近所の住民
「初めてやな。やっぱり怖いね」

近年、相次いでいるクマの出没。ケガをする人も相次いでいます。
その被害は関東でも出ています。栃木県にある住宅の敷地内では…
クマが出没した家の住人
「出てきた」
――畑のあたりから?
クマが出没した家の住人
「そうです。クマの毛のあと、これ」
当時、住人と一緒にいた近所に住む70代の男性が襲われ、重傷を負いました。那須塩原市の住宅に現れたクマ。近くには、学校やスーパーなどがある住宅街です。
クマが出没した家の住人
「(警察に)『クマが出たんだ、屋敷に』と話していたら向かってきたから、(トラックの)荷台に駆け乗った」
警察などによりますと、この住人とケガをした70代の男性が軽トラックで移動していたところ、体長1.5メートルほどのクマが突然、後ろから追いかけてきたといいます。
その後、住人は軽トラックの荷台に逃げましたが、クマは勢いよく体当たり。その時、車の外に出ていたもう1人の男性は後ろから後頭部や首を噛まれたといいます。35針縫うケガで複数回、噛まれた可能性もあるとみられています。
クマが出没した家の住人
「(ケガした男性に)『こっち入りな!』って。その瞬間にクマがまた襲ってきた」
クマは玄関先まで襲いかかってきましたが、その後、逃げていったということです。
近くの小学校では、子どもを乗せた保護者の車が続々と出て行きました。
小学校の児童
「クマがそこら辺に出たって聞いた」
小学校の保護者
「この辺に出るとは思わなかったので、びっくりしました」
さらに、クマの姿は福島県でも目撃されました。ゆうゆうと川を渡る1頭のクマ。
30日、福島市の川沿いで、体長およそ1メートルのクマがいるのを市や警察が確認したということです。市街地方面へと近づいたため、専門の職員によって麻酔銃が撃たれ、命中したものの、別の河川敷へ移動していったといいます。
近くには学校があることなどから、市は警察と協議をしながら今後の対応を検討するとしています。
また、北海道の中学校で30日、見つかったのは巨大なクマの足跡。校庭を横切るように点々と続いています。幅15センチ程度でハンターがクマのものと断定しました。

なぜ今、市街地への出没が相次いでいるのか、専門家に聞きました。
日本ツキノワグマ研究所 米田一彦理事長
「ちょうど今、交尾期の末期に当たるわけですね。若いクマは大きなオスのクマに襲われる攻撃されるので、なるべく大きなクマのいない人間の社会のそばに行こうとする」
この時期、立場の弱い若いオスのクマが山を追われ、市街地に下りてきているといいます。
市街地の中心を河川が通っている場所や、木の実がなるような木の下は、クマが出没しやすいため注意が必要だということです。
(6月30日放送『news zero』より)

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