国民民主党の玉木代表が、昨年衆院選後の協調路線から一転し、参院選の街頭演説で石破内閣への批判を強めている。
「税金や保険料、ガソリン代や電気代。払うものばかり増えたら豊かになれない」。玉木氏は14日、観光客が行き交う那覇市の中心部でマイクを握り、そう語気を強めた。政府の物価高対策を当てこすったものだ。6日の東京都内での演説では、「おかしいことがいっぱいある。今、石破首相に最も厳しいのは私だ」と語り、玉木氏は「反石破」の姿勢を鮮明にする。
自民、公明両党と「年収103万円の壁」の見直しで手を組んだ先の通常国会とは様変わりした。背景には石破内閣の支持率低迷と、国民民主の党勢回復への自信がありそうだ。
国会終盤、既に兆候はあった。国会内で首相があいさつに訪れた時だ。玉木氏は、与党と見直しで合意したガソリンの暫定税率について廃止を求めたが、首相から明確な返答はなかった。玉木氏は「何のために来られたのか分からなかった」と強烈な不快感を示した。
注目されるのは、参院選後、国民民主が与野党のどちらにくみするのかだ。
衆院で少数の自公が参院でも過半数を割り、国民民主が参院で議席を増やせば、キャスチングボートを握る可能性がある。野党第1党の立憲民主党にとっても、政権交代の実現には国民民主の議席の「数」が不可欠だ。各党の思惑が入り乱れるなか、玉木氏の動向に目が離せそうもない。