【解説】与党“過半数は厳しい”なぜ? 政局揺れる「巳年選挙」とは…

NNNは、参議院選挙の終盤の情勢を分析しました。自民党と公明党の与党は序盤より情勢が悪化し、非改選議席を合わせて参議院全体の過半数を維持するのは厳しい情勢になったことがわかりました。この結果について、小栗泉・日本テレビ特別解説委員が解説します。

──「逆風が強まっている自民党」という情勢調査の結果、小栗さんはどのようにみていますか?
自民党にとって、良い要素、票が伸びる要素が見つからないんですよね。
前回調査から7月15日までの間にあったことといえば、トランプ関税が来月1日から25%になると告げられたこと、自民党の鶴保議員が能登半島地震をめぐり「運の良いことに能登で地震があった」などと発言して、撤回・謝罪したこと、ですよね。
自民党内からも「情けない」「巻き返そうにも、選挙戦を戦っていく武器がない」という声が聞かれます。
またもう1つ、自民党にとって気になることがあるんです。それが、都議選での大敗を引きずってしまうかもしれない「巳年(みどし)選挙」です。
──確かに、今年は干支の「巳(み)」、へび年ですが、なにか関係あるのでしょうか?
4年に1度行われる東京都議会議員選挙と、3年に1度の参院選が重なるのが12年に1度でたまたま「巳年」なのですが、この2つの選挙結果が連動し、不思議と政局が大きく揺れる結果となっているんです。
実際、1989年の巳年選挙では当時の社会党の土井たか子委員長による「マドンナ旋風」が吹き荒れ、都議選で自民党が大敗。すると参院選でも自民党は過去最低の36議席で大敗、当時の宇野首相は退陣に追い込まれました。
そして2001年は小泉政権が誕生した年で、いわゆる「小泉旋風」が吹き、都議選で自民党が大勝。参院選でも自民党が64議席を獲得して、大勝を収めました。
また2013年には、都議選で自民党は候補者全員が当選する圧勝。参院選でも当時の安倍首相率いる自民党が65議席を獲得する圧勝で、“安倍一強”といわれる長期政権の礎を築きました。ちなみに、この時の自民党の幹事長は石破現首相でした。
──たまたまなのかもしれませんが、大きく揺れ動く年が12年に1度、やって来るんですね。
これは、都議選と参院選が続いて行われるので、有権者の政治への関心が高まりやすく、一気に政治課題もクローズアップされて、賛否が投票行動に出やすいことなどから、風が吹きやすいのではといわれています。

藤井貴彦キャスター
「長濱さん、どうみていますか?」
長濱ねるさん(俳優/タレント/『news zero』火曜パートナー)
「確かに都議選から参院選までの期間も短いですし、SNSなどをみていても『投票に行こう』と声をあげ続けている人が多いように感じます。今までとはちょっと違った雰囲気、流れを感じていますが、その声が届いて、私たち有権者の一票一票の思いが、選挙を通して社会に反映されるといいなと期待しています」
藤井貴彦キャスター
「参議院選挙は日本全体の有権者を対象にしていますから、東京都議選とは別の流れになることも当然考えられます。すでに期日前投票も始まっています。18歳になったばかりのみなさんをはじめ、みなさんの意思表示を、お忘れにならないようお願いします」
(7月15日放送『news zero』より)

シェアする

フォローする