野党共闘、ガソリン税の早期廃止や消費減税が焦点…立民注力も各党思惑一致せず

自民、公明両党が衆参で少数与党となったことを踏まえ、立憲民主党の野田代表は野党各党との共闘を進めていく構えだ。ガソリン税の暫定税率の早期廃止のほか、消費税の減税・廃止や内閣不信任決議案で足並みをそろえられるかが今後の焦点となる。(田村直広、山本貴広)
「民主主義をバージョンアップするため、どう連携できるか。これから議論をスタートさせていきたい」
参院選の議席確定を受け、野田氏は21日、党本部で記者団に対し、石破政権との対決姿勢を強めつつ、各野党との共闘に向けた協議に乗り出す考えを表明した。
念頭にあるのが、先の通常国会で立民など野党7党が共同提出したガソリン税の暫定税率廃止法案だ。6月に野党が多数を握る衆院で可決したが、与党が過半数を占めた参院では採決されず、廃案となった。与党は衆参で過半数割れとなっただけに、野田氏は「最初に動ける」とみる。
野田氏は、野党各党が掲げる消費税の減税・廃止にも「最大公約数でまとめたい」との意向も示す。
こうした政策の積み重ねの先に見据えるのは、内閣不信任案の提出だ。先の通常国会では、可決後の政権構想を描ききれなかったこともあり、提出を見送った経緯がある。立民内では「石破首相が内閣総辞職しないなら不信任だ」と強硬論も出ている。
ただ、野党内の思惑が一致しているわけではない。
日本維新の会の吉村代表(大阪府知事)は20日夜の記者会見で、「野党の政策ごとの協議はある」としつつ、立民との連立政権は「現実的ではない」と否定した。維新は改選5議席から2議席増にとどまり、党内には「与党との政策協議を通じて存在感を増したい」(幹部)との意見もある。
改選4議席から17議席に大幅に増やした国民民主党の玉木代表は21日未明の記者会見で、野党連携に関し、「政策本位で判断したい」と含みを残した。しかし、国民民主は今回、比例票で立民を上回っており、党内から「立民主導の野党共闘路線とは一線を画すべきだ」との指摘も出ている。
改選1議席から14議席へと躍進した参政党の神谷代表も21日未明の記者会見で、「野党連携は自民よりは可能性がある」と述べた。もっとも、外国人政策の見直しを求める立場は立民とは相いれず、神谷氏は21日の民放番組で、政策は国民民主と「一番近い」とし、同党との連携に意欲的だ。
立民幹部は「主張が異なる野党をまとめるのは相当困難だ」と頭を抱える。

シェアする

フォローする