連合の参院選総括原案、立民・国民の消費税減税公約を批判…議席伸び悩んだ立民は「党存続の危機」

連合がまとめた参院選の総括文書の原案が判明した。立憲民主、国民民主両党が消費税減税を公約に掲げたことについて「連合方針との乖離が生じた」と批判した。改選議席が伸び悩んだ立民を「党存続の危機」と表現し、「立民と国民民主が与野党に分かれることだけは到底容認できない」として自民、公明両党と連立政権を組むことに否定的な考えを示した。
原案は21日に開かれた連合の会合で提示された。芳野友子会長は同日の記者会見で「日々の組合活動の見直しが重要で、議論を始めている」と述べ、10月上旬に正式決定する方針を明らかにした。
連合は参院選の比例選に、立民、国民民主両党の公認候補として計10人の組織内候補を擁立したが、立民の1人が落選した。組織内候補が獲得した個人票も132万票にとどまり、2001年以降で最も少なかった前回22年参院選から20万票以上減らした。
原案では、立民、国民民主両党に対し「消費税減税に傾くことで、組合員への説明が困難になっている事実を重く受け止めてもらいたい」と苦言を呈した。国民民主が巨額の財源を必要とする政策を公約に並べたとし、「将来世代にさらなる借金を負わせることは到底民主的であるとは言えない」と懸念を示した。
連合が目標とした与党の過半数割れを実現したことは「大きな成果」で「連合の組織力によるもの」と位置づけた。立民と国民民主が改選定数1の「1人区」の多くで候補者を一本化したことで野党が自民に勝ち越したとし、「立民・国民民主が力を合わせれば結果を出せることが証明された」と評価した。一方、立民が東京選挙区で現職2人を擁立し、1人が任期3年となる7位当選にとどまったことは「事実上の『共倒れ』となった」と指摘した。
10月に任期満了を迎える芳野氏は続投に意欲的とされ、この日の記者会見では今後の課題について「数は力だ。組織拡大にしっかりと力を入れるべきだ」と語った。連合内には「難しい政治状況に対応できる新たな人材が必要だ」(産別幹部)と、体制の刷新を求める声も出ている。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする