【田久保市長】学歴詐称疑惑の影響で市は補正予算が組めず「前代未聞」の異常事態に 片や市長は“メガソーラー問題”めぐる投稿で「無断転載」判明(静岡・伊東市)

市長の学歴詐称疑惑を巡り混乱が続く静岡・伊東市。騒動が収束する兆しは見えず、市政に重大な影響が出てきました。
午前10時ごろ、市役所に登庁した田久保真紀市長。
(記者)
「市長9月定例会始まりますが、議会対応はどうされるおつもりですか」
(伊東市 田久保 真紀 市長)
「はい、おはようございます」
25日も質問には答えず、市長室に向かいました。
9月1日に開会する市議会の定例会を前に、25日午前、市の当局からメディアに対して議案の説明がありましたが…。その中に「補正予算案」の説明はありませんでした。
(伊東市 木村 光男 総務部長)
「説明の中にですね、補正予算があがっていなかったというのは皆さん多分お気づきになられたと思うんですけども。ちなみに、昨年度の9月定例会におきましては、補正予算が4件、つまり4会計から補正予算出ていたんですが、今回、この定例会の当初においては議案は提出してございません」
Q.過去、補正予算を組みたかった中でひとつも組めなかったことはある?
「私の知る限りではないですね。前代未聞と言えば前代未聞」
その理由はこの発言が引き金となっていました。
(伊東市 田久保 真紀 市長)
「私は地検に上申をした後、必要な手続きを終えたら速やかに辞任したいと考えております」
当初、田久保市長は辞職の意向を示したものの、約3週間後には一転して続投を表明する事態に。
(伊東市 木村 光男 総務部長)
「田久保市長が辞任を表明していたことから、市長選挙が9月定例会よりも先に行われるというふうに、われわれは予定を組みまして、新たな市長さんが決まった段階で、改めて補正予算を組むという予定でおりましたことから、現状、まだ調整が終わってないかたちになっております」
もともと9月議会では約6億円の補正予算案を上程する方針でしたが、市長が辞職の意向から一転し続投を表明したことで、細かな調整などが間に合わなかったといいます。
補正予算案にはゴミ処理施設、「環境美化センター」の焼却炉の改修に5000万円。低所得者向けの定額減税の追加給付で、3000万円などが計上される予定です。調整がつけば、一部は9月議会に追加上程する方針ですが…。
(伊東市 木村 光男 総務部長)
「例えば今の市長が、議会に対して『この議案をお願いします』と言ったところでですね、簡単に議員が、『いいよ、わかったよ』って言ってくれるとは、さすがに思えませんので、その辺は、もうちょっと…どうにか…どうしたらいいのかなというのが正直なところでありますが。早くなんとかしたいなという思いはあります」
騒動の影響で補正予算が組めないという過去にない“異常事態”。市の当局は「すぐに影響が出る訳ではない」と話していますが、この状況が長引けば影響は避けられないとみています。
こうした中、田久保市長は、ここ数日、自身のSNSで続投の理由に掲げたメガソーラー計画に関する投稿を続けています。
25日朝も2021年に当時の小野市長が事業者側と交わした「確約書」の文書を投稿。現在、この確約書に有効性はありませんが市長は「計画が完全に止まっていない」 ことを、アピールする狙いがあるとみられています。
また、これに関連し、伊豆新聞の紙面を切り取り、記事が読める状態で投稿しているものもありました。この投稿について伊豆新聞は「田久保市長から許諾申請もなく、無断転載です」と話しています。
その他の市政に関する議論が進まない中で、市の職員は…。
(記者)
「市長が就任してもう3か月近く経つんですけども、最初に『図書館辞めます』って言った以外は、なんら独自色のある提案とか政策について、何もなかったっていうことですかね。
(伊東市 近持 剛史 企画部長)
「いまのところ図書館だけ進みましたけど、他のそういう主だった市長の政策っていうのは、特段前に向いて動いてる、そういうことはありません」
混乱が続く伊東市政。前向きな議論ができるのはいつになるのでしょうか。

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