台風18号(ラガサ)と19号(ノグリー)が急速に発達し、9月21日(日)9時現在で19号は「猛烈な」勢力です。「猛烈な」勢力の台風は昨年18号以来になります。
台風18号(ラガサ)はこれから明日22日(月)にかけて沖縄の南を通過する予想で、先島諸島を中心に強風や高波の影響に注意が必要です。
台風18号(ラガサ) 発達ピークで沖縄の南を進む
▼台風18号 9月21日(日)9時
中心位置 フィリピンの東
大きさ階級 //
強さ階級 非常に強い
移動 西北西 15 km/h
中心気圧 950 hPa
最大風速 45 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 60 m/s
21日(日)9時現在、強い勢力の台風18号はフィリピンの東を西北西に進んでいます。さらに勢力を強めながら西進を続け、明日22日(月)には猛烈な勢力まで発達する予想です。
24日(火)頃には勢力を保ったまま中国・華南にかなり近づくとみられます。
先島諸島は風が強まり、海はシケに
台風18号は直径1,000km近い大きな強風域を伴っているため、沖縄から離れて通っても風や波の影響が出るとみられます。
特に先島諸島では平均で15m/s前後、瞬間的には20m/s前後の強風が吹く予想です。波は5m以上のシケとなるため、台風の接近時は海のレジャーを控えるようにしてください。
進路に近いフィリピン・ルソン島や台湾では23日(火)にかけて荒天が予想され、その後は中国・華南を中心に風雨が強まる見通しです。渡航の予定がある場合は最新の台風情報をご確認ください。
台風19号(ノグリー) 明日以降は動きが遅くなる
▼台風19号 9月21日(日)9時
中心位置 南鳥島近海
大きさ階級 //
強さ階級 猛烈な
移動 西北西 20 km/h
中心気圧 920 hPa
最大風速 55 m/s (中心付近)
最大瞬間風速 75 m/s
猛烈な勢力の台風19号は明日22日(月)にかけて北西に進んだ後、動きが非常に遅くなる見込みです。
上空を吹く強い西寄りの風、偏西風にはまだ乗ることができず、東西を高気圧に挟まれる形になるため、動けない状況になります。予報円は非常に大きく、高気圧の勢力次第で進路が変わる見込みです。
この図の細い線1本1本は、世界各国の気象機関が計算した数値シミュレーションの結果をあらわします。アンサンブル予報という手法による低気圧中心の計算結果で、初期値に意図的な誤差を与えることで予報の確実性などを検討する材料になります。
これらを比較すると、しばらく北西に進む所までは揃っていて、その後はコースにばらつきがあることがわかります。現時点では動きが遅くなった後に北寄りに進路を変えるものが多数ですが、西寄りに計算するものも少なくありません。不確実性が大きいと言えます。
日がたつにつれて誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。
9月は台風の上陸が最も多い時期
平年の台風発生数
台風発生数の平年値を見ると、9月の台風発生数の平年値は5.0個で、8月に次いで一年の中で2番目に台風の発生が多い時期です。一方、台風の上陸数の平年値では9月が最も多く、本土への接近数も最も多い時期となっています。
本州方面にとっては例年9月が台風シーズンのピークとなりますので、台風対策・大雨対策等を整えておくようにしてください。
台風の名前
北西太平洋や南シナ海で発生した台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。
台風18号の「ラガサ(Ragasa)」はフィリピンが提案した名称で、動きを速めることを意味するタガログ語からとられています。この名前が使われるのは今回が初めてです。前回までは「ハギビス」が割り当てられていましたが、2019年台風19号(令和元年東日本台風)の被害を受けて引退となっていました。
台風19号の「ノグリー(Neoguri/)」は韓国が提案した名称で、朝鮮語でたぬきのことです。
出典・参考気象衛星画像:NICT 情報通信研究機構