去年8月、福岡市早良区で軽乗用車で路線バスに衝突し、娘2人を死亡させたなどとして過失運転致死傷の罪に問われている33歳の母親の裁判。
福岡地裁は「最も基本的かつ重要な義務を怠った」と指摘したうえで「自身の過失に起因するものの被告人が多大な打撃を受けていることは量刑上考慮される」として母親に禁錮3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。
母親は代理人弁護士に対し「ジュニアシートをつけさせていればよかった」という趣旨の話をしていたということです。
路線バスと軽乗用車が衝突
判決を言い渡されたのは、無職の古賀千尋被告(33)です。
古賀被告は去年8月、福岡市早良区で軽乗用車を運転中に路線バスと衝突し、後部座席に乗っていた娘の優麗愛ちゃん(7)と麻里愛ちゃん(5)を死亡させたほか、バスの乗客など4人にけがをさせたなどとして過失運転致死傷の罪に問われていました。
福岡地裁の判決「短くない時間カーナビを脇見」
24日の判決で、福岡地裁の今泉裕登裁判長は「短くない時間カーナビを脇見して、前方左右を確認するという最も基本的かつ重要な義務を怠った」と指摘。
一方、「被告人は、自らの不注意により最愛の二人の我が子を失ったことで、自責の念や喪失感等極めて大きな精神的苦痛に苛まれ、今なお精神科受診を続けている上、自身も長期間の通院を要する重傷を負っている。自らの過失に起因するものではあるものの、本件事故により被告人が多大な打撃を受けたことは、量刑上一定程度考慮すべきである」として、古賀被告に、禁錮3年執行猶予5年の判決を言い渡しました。
「ジュニアシートつけていれば」母の後悔
古賀被告の代理人弁護士によると、古賀被告は、ジュニアシートをつけさせていればよかった」という趣旨の話をしていたとのことです。
これまでの裁判
これまでの裁判で、検察側は「カーナビを注視したまま対向車線にはみ出した。最も基本的かつ守るべき注意義務を守らなかった」などと主張し、古賀被告に禁錮4年を求刑。
一方、弁護側は「被告は2度と運転しないことを約束するなどしていて再犯の可能性がない」などとして寛大な処分を求めていました。