埼玉・鶴ヶ島の女性殺害、上半身に刃物とみられる複数の傷…路上のバッグに血の付いたナイフ

15日午前4時55分頃、埼玉県鶴ヶ島市若葉の介護付き有料老人ホーム「若葉ナーシングホーム」から、「入所する女性2人が血を流している」と110番があった。高齢女性2人が意識不明の状態で見つかり、搬送先の病院で死亡が確認された。県警は同日午後、施設の元職員で無職の木村斗哉容疑者(22)(埼玉県熊谷市箱田)を女性1人に対する殺人容疑で緊急逮捕した。(さいたま支局 斎藤秀、徳原真人)
発表によると、木村容疑者は15日午前1時50分頃~同2時5分頃、施設5階の居室で、入所者の小林登志子さん(89)を刃物で切りつけるなどし、殺害した疑い。容疑を認めているという。
もう1人の女性は、4階の居室で暮らしていた上井アキ子さん(89)。木村容疑者は2人の名前を挙げ、「刃物で刺して殺した」などと話しているという。2人の上半身には、刃物によるとみられる傷が複数あったという。
木村容疑者は昨年7月まで施設で働いていたといい、県警は2人との関係などを調べている。
施設内の防犯カメラには事件の前後、フードをかぶってマスクをつけた不審な人物が映り、現場から立ち去っていた。同日午前8時40分過ぎ、施設から約250メートル離れた路上で、警察官が防犯カメラの人物と似たズボンをはいた木村容疑者を発見し、身柄を確保した。
捜査関係者によると、木村容疑者の供述に基づき、県警が施設の周辺を捜索。施設から南東に約600メートル離れた路上でバッグが見つかり、中から血の付いたナイフや、事件当時に身に着けていたとみられる上着やマスクも発見された。近くでは自転車も見つかり、県警は逃走に使ったとみている。
県警幹部によると、施設内を巡回していた男性職員が午前3時半過ぎ、5階居室のベッドで両耳から血を流して倒れている小林さんを見つけた。その後、4階居室で出血している上井さんも見つかった。
県警によると、施設は1階に複数の出入り口があり、施設関係者は施錠していたと説明している。破損はなかったという。小林さんと上井さんの部屋も鍵はあったが、県警は施錠されていなかったとみている。
施設は東武東上線の若葉駅から南に約300メートルの住宅街にあり、埼玉県川越市の医療法人「恵雄会」が運営している。定員は64人。読売新聞の取材に対し、法人は「現時点で答えられることはない」としている。

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