鶴ヶ島の老人ホーム女性2人死亡、元職員の20代男の身柄確保…埼玉県警に殺害をほのめかす供述

15日午前4時55分頃、埼玉県鶴ヶ島市若葉の老人ホーム「若葉ナーシングホーム」で、職員から「女性2人が血を流している」と110番があった。施設の入所者で高齢の女性2人が血を流した状態で見つかり、搬送先の病院で死亡した。県警は同日午前、元職員で20歳代の男の身柄を施設近くの路上で確保し、事情を聞いている。男は殺害をほのめかす供述をしているという。
施設の防犯カメラには14日深夜から15日未明にかけて現場を立ち去る不審な人物が映っており、県警が行方を追っていた。フードをかぶり、マスクを着用していたという。
発表によると、女性2人はいずれも80~90歳代とみられる。夜間巡回中の別の職員が、それぞれ施設の4階と5階居室のベッドであおむけの状態で横たわっているのを発見した。頭などから血を流し、意識がなかったという。県警は2人を司法解剖して死因を調べる。現場から凶器は見つかっていない。他の入所者にけがはなかった。
現場は東武東上線の若葉駅から南に約300メートルの住宅街。
施設は埼玉県川越市の医療法人「恵雄会」が運営している。法人のホームページによると、介護付き有料老人ホームで定員64人。読売新聞の取材に対し、「現時点で答えられることはない」としている。
高齢者施設での事故、過去にも相次ぐ

高齢者施設で入所者が襲われた事件は、過去にも相次いでいる。
川崎市の老人ホームでは2014年11~12月、当時86~96歳の男女3人が職員によって各居室のベランダから転落させられて死亡。17年8月には、岐阜県高山市の介護老人保健施設で女性(当時87歳)が職員に首を絞められるなどして亡くなった。
東京都中野区の介護付き有料老人ホームでは同年8月、男性(同83歳)が浴槽に張った湯に顔をつけられて窒息死した。22年5月には長野県塩尻市の介護施設で、女性(同77歳)が向精神薬を服用させられて死亡した。川崎市の住宅型有料老人ホームでは24年11月、同じ施設に入居する男に女性(同92歳)が刃物で刺されて殺害される事件も起きている。

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