男子バレーボールの強豪、秋田県立雄物川(おものがわ)高校(横手市)の宇佐美大輔監督(46)が部員に体罰を与えていた問題で、数年前にも宇佐美監督の体罰を苦にして退学した部員がいることが、関係者への取材で判明した。
元部員の20代男性は毎日新聞の取材に「自分を含む部員が日常的に暴力を受けていた」と語り、体罰が少なくとも数年前にもあったと証言した。
男性は数年前、雄物川高バレーボール部に入部。宇佐美監督の体罰は1カ月後の5月ごろから始まった。
レシーブ練習などでミスをするとほおをつかまれ床に投げつけられることが度々あった。
「話を聞いている顔が気に入らない」と理不尽に怒られることもあり、監督が履いていた靴を投げつけられ顔が腫れたこともあったという。
暴力が続く日々に再び耐えられなくなり9月、部活をやめた。翌年4月、知人の紹介で県外の高校に入学した。
「まだ続いていたのかという残念な気持ちと、『やっと公になった』という思いです」
宇佐美監督の体罰を伝える報道に接した男性は、そう感じたという。【木原真希】