[ドキュメント 自民新総裁]
「右の方はどうぞ高市先生に寄っていただいて、我々は穏健中道路線でチームをつくっていく」。立憲民主党の安住幹事長は16日、公明党の西田幹事長と国会内で会談した後、記者団にそう述べた。
立民は首相指名選挙での野党候補一本化に向けて、日本維新の会と国民民主党と協議してきたが、ここに来て維新は高市総裁率いる自民党に急接近した。安住氏は現状を皮肉った上で、国民民主と公明との協力関係が「もう一つの軸になり得る」と強調した。
高市氏の総裁就任以降、政局が流動化する中で安住氏の発言は各党を揺さぶっている。野党で国民民主の玉木代表に一本化する可能性に立民で初めて言及したのも安住氏だ。基本政策の一致を求める玉木氏には「自民もうちも数あわせをやっている。きれいごとでごまかしているうちは本当ではないよ」と決断を迫った。
玉木氏が煮え切らないとみるや、「ここで自分の殻を打ち破れば私の声が彼の心に届く」「玉木くんを弟のように可愛がろうと思う」などと独自の「安住節」も連発した。
旧民主党時代の先輩でもある安住氏の声は無視できない。玉木氏は16日の日本テレビの番組で、前日開いた立維国3党の党首会談を振り返り、「安住氏の行儀が悪いというのは一致した」と言って笑いを誘った。
立維国の行方が不透明となる中で、安住氏は次の一手をどう繰り出すのか。十数年に1度の好機を前にこうも語っている。
「一日一日変わる。あすにならないと分からない。あしたはあしたの風が吹くのかな」