上皇さまの弟の常陸宮さまは28日、90歳(卒寿)の誕生日を迎えられた。高齢になり、昨春以降は公的な場での活動から退いている。宮内庁によると、東京都渋谷区の宮邸では、健康維持のために体を動かし、妻華子さま(85)と一緒に庭を車椅子で散策する日もある。最近は、米大リーグ・ドジャースの試合をテレビ観戦し、大谷翔平ら日本人3選手の活躍を喜んでいたという。
常陸宮さまは2024年3月末、総裁を務める発明協会が都内で開いた「全日本学生児童発明くふう展」を見学。暮らしに役立つアイデアグッズを創作した子供たちに「おめでとう」と声をかけた。以降は公務を控えているが、今年9月には宮邸で新任の皇宮護衛官のあいさつを受けた。
高松宮妃癌(がん)研究基金や大日本蚕糸会など、自身が名誉総裁や総裁に就いている団体の主催行事には、華子さまがお一人で出席される場合もある。常陸宮さまは華子さまに感謝の気持ちを伝え、行事の様子の報告を受けているという。
宮邸では、ミニチュアダックスフントの愛犬「福姫」をかわいがり、庭に飛来する野鳥の観察、ゴルフや大相撲、バスケットボールなどスポーツのテレビ観戦も楽しんでいる。日常的に車椅子を利用しつつ、理学療法士の指導で筋力維持の運動にも励む。長年、生物の腫瘍の研究に取り組んだ経験から、専門雑誌を見るなど今もがん生物学の分野に関心を寄せているという。【山田奈緒】