愛知・豊田の女子高生強殺、懸賞金の期限1年延長 情報提供呼びかけ

愛知県豊田市で2008年、愛知教育大付属高1年だった清水愛美さん(当時15歳)が殺害された強盗殺人事件で、警察庁は、事件解決につながる情報の提供者に支払う公的懸賞金(捜査特別報奨金)の期限を1年間延長した。それに伴い県警豊田署員ら計約30人がこの日、市内の駅など3カ所で情報提供を求めるポケットティッシュ計約2500個を配布した。
豊田署の特別捜査本部によると、事件は08年5月2日午後7時半ごろに発生。帰宅途中だった清水さんが何者かに殺害され、翌朝、豊田市生駒町の田んぼで遺体が見つかった。持っていた通学カバンは岡崎市稲熊町の土手で見つかった。
現場近くでは、事件当日と約1カ月前までの間に数回、黒っぽいSUV(スポーツタイプ多目的車)の目撃情報があったという。これまでに計約1900件の情報提供があり、25年は10月末現在で約20件寄せられている。
木村紀夫署長は、1999年に名古屋市西区で高羽奈美子さん(当時32歳)が殺害された事件で、発生から約26年たった今年10月に容疑者が逮捕されたことに言及。「(犯人は)いずれ逮捕される。自責の念があるなら今すぐ出頭しろ」と語気を強め、県民に向け「どんなささいな情報でも提供をお願いします」と呼びかけた。
有力情報の提供者には最高で300万円が支払われる。同署特別捜査本部はフリーダイヤル0120・400・538。【丘絢太】
未解決の凶悪事件、他にも複数
愛知、岐阜両県には、他にも未解決の凶悪事件は複数ある。
愛知県豊明市で2004年9月、加藤利代さん(当時38歳)ら母子4人が殺害され自宅が放火された事件は、20年以上が過ぎた今も容疑者逮捕には至っていない。同県蒲郡市で2016年3月、杉浦加津代さん(当時73歳)が自宅で首に携帯電話の充電器のコードを巻かれ殺害された事件も、来年3月で発生から10年を迎えるが未解決のままだ。
愛知県警はホームページで、清水愛美さんが殺害された事件以外にも「個別の事件に対する情報提供」として、未解決の殺人事件など14件の概要を掲載し、目撃情報の提供を求めている。
岐阜県警もホームページで「未解決凶悪事件」として、2000年12月に岐阜市三田洞東の住宅で高田千代子さん(当時77歳)が殺害され、現金が引き出された強盗殺人事件など9件に関する情報提供を呼びかけている。
事件の風化を防ごうと、それぞれの事件の遺族や関係者などがチラシ配りや講演活動など続けているが、寄せられる情報は年々減っている。【斎川瞳】

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